2009-12-04(Fri)
クリファント 第11話
週末の金曜日、ホームパーティーをする事になった。
週明けにまゆみの誕生日を迎えるが、その日から海外出張に出てしまう。
前日には準備もあるだろうし、何かと気忙しくなるので早めに2人だけのお誕生会をやろうということになった。
ただお互い仕事を持っているので、手の込んだ料理やケーキなどは作れる時間がない。
メインディッシュは手っ取り早くお寿司の取り寄せにした。
ただ何でもかんでも“出来あえ”ばかりだと寂しく、2人でバースデーケーキを作ることになり、お互い役割分担で材料を仕入れてからの帰宅という約束だった。
いくら簡単なケーキとはいえ、スポンジを焼くには時間がかかる。
2人共大慌てで帰宅し、急いで着替えを済ましてから、狭いキッチンに立つ。
買い揃えた材料を片付け、準備にかかった。
かおりは高校時代よく作っていたので、要領よく動き回りまゆみに指示を出す。
ただ今日の主役はまゆみ、かおりはまゆみに負担にならないよう気を配りながら手伝ってもらった。
「ホント、いつもながら関心ねぇ。いいお嫁さんになるわ~」
かおりはまんざらでもなかった。
「こんな事、出来てもねぇ、お相手がいなければ何ともならないわ」
おどけて見せた。
「まぁ、かおりちゃんなら心配ないわ、かおりちゃんさえ真剣になれば、いつだって彼氏出来るわよ」
かおりはひっかかった。 まゆみの言葉が悪いわけではない。
彼氏作りに無関心な自分にひっかかった…。
その原因もなんとなくわかっている。
生クリームのデコレーションが終わり、苺などのトッピングで飾り付けをして完成した。
「出来たね。さぁ食べよっか!!」 かおりは嬉しく、そして楽しかった。
「ローソク立てるよ」 かおりはローソクの束を取り出した。
「やだよ、そんなに立てちゃー」 かおりは歳の数だけ立てるつもりだった。
「ごめ~ん」
「いくつ、立てるつもりだったの?」
「25本」
「やだよ、そんなにいっぱい」
「ごめんねぇ~、じゃあ何本?」
「2本でいいよぉ~、2才だし~」
「バッカぁー、それじゃ幼児だよー」
2人で笑った。
「じゃ、立てるね」 かおりは小さなローソクを立て火をつけた。
「電気消すね」 部屋の明かりを消した。
暗闇からわずかなローソクの灯りが2人の顔を照らし出す。
かおりは静かに歌い出した。
「ハッピーバースデートゥユー、ハッピーバースデートゥユー、ハッピーバースデーディヤまゆみ、ハッピーバースデートゥユー」
「お誕生日、おめでとう!」
「ありがとう、かおり。なんとなくセンチになっちゃった」
まゆみは目尻をおさえた。 「じゃぁ、ローソク消して」
「ウン!」 まゆみは勢いよくローソクを吹き消した。
「おめでとう、まゆみ」かおりは手を叩いた。 かおりはなんとなく照れ笑い。
灯りをつけ冷蔵庫からシャンパンを取り出した。 そしてケーキカット。
食事の前にケーキを食するのは変だけど、2人が一から作ったものだから、先に食べようということになった。
シャンパンで乾杯し、ケーキをつつく。
「結構甘いね」
かおりは久しぶりに作ったものだから、甘くなり過ぎた事を不安に思う。
「ごめんねぇ~、甘過ぎた?」
「ん?、あっ、ごめんごめん、そんなつもりで言ったんじゃない。 かおりの愛情がいっぱい入ってて甘~く美味しくなってる。 美味しいわよ、このケーキ」
「嬉しい♪ありがと」 「じゃぁお寿司にしよっか」 「うん!」
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週明けにまゆみの誕生日を迎えるが、その日から海外出張に出てしまう。
前日には準備もあるだろうし、何かと気忙しくなるので早めに2人だけのお誕生会をやろうということになった。
ただお互い仕事を持っているので、手の込んだ料理やケーキなどは作れる時間がない。
メインディッシュは手っ取り早くお寿司の取り寄せにした。
ただ何でもかんでも“出来あえ”ばかりだと寂しく、2人でバースデーケーキを作ることになり、お互い役割分担で材料を仕入れてからの帰宅という約束だった。
いくら簡単なケーキとはいえ、スポンジを焼くには時間がかかる。
2人共大慌てで帰宅し、急いで着替えを済ましてから、狭いキッチンに立つ。
買い揃えた材料を片付け、準備にかかった。
かおりは高校時代よく作っていたので、要領よく動き回りまゆみに指示を出す。
ただ今日の主役はまゆみ、かおりはまゆみに負担にならないよう気を配りながら手伝ってもらった。
「ホント、いつもながら関心ねぇ。いいお嫁さんになるわ~」
かおりはまんざらでもなかった。
「こんな事、出来てもねぇ、お相手がいなければ何ともならないわ」
おどけて見せた。
「まぁ、かおりちゃんなら心配ないわ、かおりちゃんさえ真剣になれば、いつだって彼氏出来るわよ」
かおりはひっかかった。 まゆみの言葉が悪いわけではない。
彼氏作りに無関心な自分にひっかかった…。
その原因もなんとなくわかっている。
生クリームのデコレーションが終わり、苺などのトッピングで飾り付けをして完成した。
「出来たね。さぁ食べよっか!!」 かおりは嬉しく、そして楽しかった。
「ローソク立てるよ」 かおりはローソクの束を取り出した。
「やだよ、そんなに立てちゃー」 かおりは歳の数だけ立てるつもりだった。
「ごめ~ん」
「いくつ、立てるつもりだったの?」
「25本」
「やだよ、そんなにいっぱい」
「ごめんねぇ~、じゃあ何本?」
「2本でいいよぉ~、2才だし~」
「バッカぁー、それじゃ幼児だよー」
2人で笑った。
「じゃ、立てるね」 かおりは小さなローソクを立て火をつけた。
「電気消すね」 部屋の明かりを消した。
暗闇からわずかなローソクの灯りが2人の顔を照らし出す。
かおりは静かに歌い出した。
「ハッピーバースデートゥユー、ハッピーバースデートゥユー、ハッピーバースデーディヤまゆみ、ハッピーバースデートゥユー」
「お誕生日、おめでとう!」
「ありがとう、かおり。なんとなくセンチになっちゃった」
まゆみは目尻をおさえた。 「じゃぁ、ローソク消して」
「ウン!」 まゆみは勢いよくローソクを吹き消した。
「おめでとう、まゆみ」かおりは手を叩いた。 かおりはなんとなく照れ笑い。
灯りをつけ冷蔵庫からシャンパンを取り出した。 そしてケーキカット。
食事の前にケーキを食するのは変だけど、2人が一から作ったものだから、先に食べようということになった。
シャンパンで乾杯し、ケーキをつつく。
「結構甘いね」
かおりは久しぶりに作ったものだから、甘くなり過ぎた事を不安に思う。
「ごめんねぇ~、甘過ぎた?」
「ん?、あっ、ごめんごめん、そんなつもりで言ったんじゃない。 かおりの愛情がいっぱい入ってて甘~く美味しくなってる。 美味しいわよ、このケーキ」
「嬉しい♪ありがと」 「じゃぁお寿司にしよっか」 「うん!」
