2009-12-07(Mon)
クリファント 第12話
お鮨を食べながらまゆみの海外出張の話をはじめた。
今度の海外出張は勤務先、大学病院の理事長が学会でスイスに行くお供の話。
最初はそう聞いていた。 ところがどうせ欧州まで出かけるのだから、海外での病院経営学を学びにスイスをはじめフランス、ドイツでそれぞれ一ヶ月間、研修をしようという話まで発展してしまった。
ということで理事長の秘書であるまゆみはその間、帯同することになる。
つまり3ヶ月間、理事長の世話役を勤めるなければならない。
「だいじょぶなの? 長い期間、理事長・・・」
「もう年だからね。 その辺はなんともいえないけど、もともとお医者さんだから自分の体調管理はわかってるでしょう」
「ん~ん、そうじゃなくて、2人っきりなんでしょう、3ヶ月」
「あはは、そっちか! ん~~、なんとも言えないけど、その辺は節度あるから」
「なんでまゆみが行くことになったの?」
「最初はね、1週間くらいの学会出張だったんだけど、言ったけど結局3箇所、病院を回ることになったの。 でね、だいたい1つの病院が1ヶ月くらい、最初はホテル住いを考えていたらしく、それはそれで良かったんだけど」
「費用が予想以上に高くなって、もったいないからアパートメントを借りることになったの。 そうしたら身の回りの整理をする人が必要になったって言うわけ」
「つまり家政婦さんか・・・」
「早い話はそうね」
「昼間はどうしてるの? 一緒に病院に行くの?」
「最初はそう思ってたけど、私もそんなに語学が得意じゃないし、結局、通訳を頼むことになったから、昼間は完全フリー、好きなところで遊んでらっしゃいって」
「そうなんだ。 それじゃ夕食作って、お洗濯?」
「そうね、それくらいしないと悪いから。 でもね、1週間くらいの出張でも、先の人たちが入れ替わり立ち代り、夕食に誘ってくれることが多いの。 だから普段は粗食でいいよって言われてる。 カロリーも気になるんでしょうね」
「じゃあ・・・、夜は・・・」
「夜って?」
「一緒に寝るの・・・?」
「あはは、ひょっとして、変な想像してんだ?」
「大丈夫よ、もう年だし、役に立たないから・・・、それよりかおりは私がいなくても大丈夫?」
「えっ! そ、そんな、私は大丈夫よ」
「あら、ひょっとして変な男を連れ込んだりしないでしょうね」
「そんな人、居ないって、まゆみは知っているでしょう」
「まあね、大丈夫そうに思うけど、3ヶ月も空けたら、どうなってるかわかんないから」
「そんなことありませんよーっだ! これでも私、固いんだから、イジワル」
かおりはハッとして、息を呑んだ。 なぜ“イジワル”って言ったんだろう・・・。
まゆみとの関係は深く長くなった。 そのことが心に残った。
その空気をまゆみは読んでしまったのだろうか…、しばし沈黙が訪れた。
2人して夕食にいそしんだ。
まゆみが口火を切った「ねえ、このあと、一緒にお風呂はいる?」
以前、一緒に入ったことはある。 その時狭くて窮屈な思いをした。
でも楽しかったのは胸のうちにある。
「いいよ、少し休憩してからね」
「じゃぁ、お互い、洗いっこしよう」
かおりはドキドキときめいた。 いつもはベッドで戯れる2人。
しばらく会えないと思うと、さみしい思いが強い。
明日、明後日とず~っと一緒にいたいと思う。
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今度の海外出張は勤務先、大学病院の理事長が学会でスイスに行くお供の話。
最初はそう聞いていた。 ところがどうせ欧州まで出かけるのだから、海外での病院経営学を学びにスイスをはじめフランス、ドイツでそれぞれ一ヶ月間、研修をしようという話まで発展してしまった。
ということで理事長の秘書であるまゆみはその間、帯同することになる。
つまり3ヶ月間、理事長の世話役を勤めるなければならない。
「だいじょぶなの? 長い期間、理事長・・・」
「もう年だからね。 その辺はなんともいえないけど、もともとお医者さんだから自分の体調管理はわかってるでしょう」
「ん~ん、そうじゃなくて、2人っきりなんでしょう、3ヶ月」
「あはは、そっちか! ん~~、なんとも言えないけど、その辺は節度あるから」
「なんでまゆみが行くことになったの?」
「最初はね、1週間くらいの学会出張だったんだけど、言ったけど結局3箇所、病院を回ることになったの。 でね、だいたい1つの病院が1ヶ月くらい、最初はホテル住いを考えていたらしく、それはそれで良かったんだけど」
「費用が予想以上に高くなって、もったいないからアパートメントを借りることになったの。 そうしたら身の回りの整理をする人が必要になったって言うわけ」
「つまり家政婦さんか・・・」
「早い話はそうね」
「昼間はどうしてるの? 一緒に病院に行くの?」
「最初はそう思ってたけど、私もそんなに語学が得意じゃないし、結局、通訳を頼むことになったから、昼間は完全フリー、好きなところで遊んでらっしゃいって」
「そうなんだ。 それじゃ夕食作って、お洗濯?」
「そうね、それくらいしないと悪いから。 でもね、1週間くらいの出張でも、先の人たちが入れ替わり立ち代り、夕食に誘ってくれることが多いの。 だから普段は粗食でいいよって言われてる。 カロリーも気になるんでしょうね」
「じゃあ・・・、夜は・・・」
「夜って?」
「一緒に寝るの・・・?」
「あはは、ひょっとして、変な想像してんだ?」
「大丈夫よ、もう年だし、役に立たないから・・・、それよりかおりは私がいなくても大丈夫?」
「えっ! そ、そんな、私は大丈夫よ」
「あら、ひょっとして変な男を連れ込んだりしないでしょうね」
「そんな人、居ないって、まゆみは知っているでしょう」
「まあね、大丈夫そうに思うけど、3ヶ月も空けたら、どうなってるかわかんないから」
「そんなことありませんよーっだ! これでも私、固いんだから、イジワル」
かおりはハッとして、息を呑んだ。 なぜ“イジワル”って言ったんだろう・・・。
まゆみとの関係は深く長くなった。 そのことが心に残った。
その空気をまゆみは読んでしまったのだろうか…、しばし沈黙が訪れた。
2人して夕食にいそしんだ。
まゆみが口火を切った「ねえ、このあと、一緒にお風呂はいる?」
以前、一緒に入ったことはある。 その時狭くて窮屈な思いをした。
でも楽しかったのは胸のうちにある。
「いいよ、少し休憩してからね」
「じゃぁ、お互い、洗いっこしよう」
かおりはドキドキときめいた。 いつもはベッドで戯れる2人。
しばらく会えないと思うと、さみしい思いが強い。
明日、明後日とず~っと一緒にいたいと思う。
