2010-04-06(Tue)
堕ちていく私 17 ≪男の正体≫
窓際に立つと、
「やっぱり、あなたにはかなわないわ。 そうやって私を寂しくさせる。
結局あなたは私の事を知ってても、私は何もあなたの事を知らない。
名前の蒼井さんってたぶん偽名でしょう。 結局、私は何一つ、あなたのことがわからないわ」
「蒼井は本名です。 が、しかし私の事を知ればあなたに危険が及ぶかもしれません。
そういう仕事です。 だから出来ればそれは避けたいと思っています。」
「あら! 私の事、そういう風に見てくれているの? 少しだけ嬉しいわ。
じゃあ最後一つだけ聞いていい? それ以上詮索しないわ」
「答えられるものであれば…」
思い切って聞いてみた「あなたって警察の人?」
「微妙な質問ですね。 でもあなたに対して嘘はつきたくない。
心の中に締まって頂けますか。
日本の警察をカバーとしていますが、正式な所属は日本の組織ではありません」
振り返り、男を遠い目で見た。 ますます男の存在が遠くに思えた。
やっぱり私の想像を超えた人。
「そう言えばさっき引っ越しも近いとか言ってたけど、近いの?」
「正直わからない。ただ…」 「ただ…、なに?」
「あまりここにいても、もう意味がないかもしれない」
「そう・・・、あ・た・し・・・・・・」
「あなたは美しい、きっと素晴らしい人生を送れると思います」
「お世辞なんかいらないわ、本当のことを言ってよ。
私なんか、わたし…、なんか、ダメよ… きっと悪い女… だからあんな・・・こと…見せてしまって。・・・だから…」
「だから?」
「だから、あなたの事、本当は知りたいの」
「何となくわかるの…、たぶん私の想像も出来ないようなお仕事していらっしゃるのでしょう。
危険だって。 でも、なんとなくあなたについて行きたいって思ったの」
「それはダメです」
「わかってるわ。 あなたの足手まといになるかもしれない。 それもわかっている。
でもなんとなくついて行きたいと思ったの。 自分でもなぜかわからないけど。 だめかしら」
「私にも仕事上パートナーは必要です。 上司からもそれは言われています。
が、しかし私と一緒にいると、とんでもない危険が及ぶかもしれません。
もっと言えば私の目の前で別の男に犯される可能性もあります。 そんな覚悟はおありですか」
「ごめんなさい。 それは・・・ 今は・・・ わからない。 でもあなたはそれを許してくれるの?」
「そういう状況だったらしょうがない。 私のミスでそうなることもある」
「あなたが許してくれるのなら、我慢できるかもしれない」
「もし私が危険な目になったらあなたは助けてくれる?」
「危険な状況だったら、全力を賭けて君を助ける。 でも俺も万能ではない。最後には見捨てるかもしれない」
「いいの、そうなったらそうなったでかまいやしない。 それでもいいの。 でもそれまではあなたの近くに居たいの」
「・・・」 沈黙が訪れた。
目と目を見つめ合う二人。 男もどうしていいかわからなかった。
「やっぱり、あなたにはかなわないわ。 そうやって私を寂しくさせる。
結局あなたは私の事を知ってても、私は何もあなたの事を知らない。
名前の蒼井さんってたぶん偽名でしょう。 結局、私は何一つ、あなたのことがわからないわ」
「蒼井は本名です。 が、しかし私の事を知ればあなたに危険が及ぶかもしれません。
そういう仕事です。 だから出来ればそれは避けたいと思っています。」
「あら! 私の事、そういう風に見てくれているの? 少しだけ嬉しいわ。
じゃあ最後一つだけ聞いていい? それ以上詮索しないわ」
「答えられるものであれば…」
思い切って聞いてみた「あなたって警察の人?」
「微妙な質問ですね。 でもあなたに対して嘘はつきたくない。
心の中に締まって頂けますか。
日本の警察をカバーとしていますが、正式な所属は日本の組織ではありません」
振り返り、男を遠い目で見た。 ますます男の存在が遠くに思えた。
やっぱり私の想像を超えた人。
「そう言えばさっき引っ越しも近いとか言ってたけど、近いの?」
「正直わからない。ただ…」 「ただ…、なに?」
「あまりここにいても、もう意味がないかもしれない」
「そう・・・、あ・た・し・・・・・・」
「あなたは美しい、きっと素晴らしい人生を送れると思います」
「お世辞なんかいらないわ、本当のことを言ってよ。
私なんか、わたし…、なんか、ダメよ… きっと悪い女… だからあんな・・・こと…見せてしまって。・・・だから…」
「だから?」
「だから、あなたの事、本当は知りたいの」
「何となくわかるの…、たぶん私の想像も出来ないようなお仕事していらっしゃるのでしょう。
危険だって。 でも、なんとなくあなたについて行きたいって思ったの」
「それはダメです」
「わかってるわ。 あなたの足手まといになるかもしれない。 それもわかっている。
でもなんとなくついて行きたいと思ったの。 自分でもなぜかわからないけど。 だめかしら」
「私にも仕事上パートナーは必要です。 上司からもそれは言われています。
が、しかし私と一緒にいると、とんでもない危険が及ぶかもしれません。
もっと言えば私の目の前で別の男に犯される可能性もあります。 そんな覚悟はおありですか」
「ごめんなさい。 それは・・・ 今は・・・ わからない。 でもあなたはそれを許してくれるの?」
「そういう状況だったらしょうがない。 私のミスでそうなることもある」
「あなたが許してくれるのなら、我慢できるかもしれない」
「もし私が危険な目になったらあなたは助けてくれる?」
「危険な状況だったら、全力を賭けて君を助ける。 でも俺も万能ではない。最後には見捨てるかもしれない」
「いいの、そうなったらそうなったでかまいやしない。 それでもいいの。 でもそれまではあなたの近くに居たいの」
「・・・」 沈黙が訪れた。
目と目を見つめ合う二人。 男もどうしていいかわからなかった。