2010-08-05(Thu)
巡査長 美咲 ~淫妖水魔編~ ≪第二話≫
第一章 第一の被害者
「緊急入電、緊急入電、0803、警視庁、通信司令室、20時33分入電、港区、高輪署管轄内にて女性の変死体の発見の通報あり。
所轄署は直ちに急行せよ。 場所は港区高輪6丁目○○-×× マンションプレジデント1505号室 至急急行されたし」
「おーい、山ちゃん、今、みんな出払って居ねえんだよ。 美咲君、誘って行ってくんね~かな」
「えー? あの新米をですかぁ? 勘弁してくださいよ」
「まあ、そう言うなって、我が捜査一課、六係の期待のホープなんだから」
「期待のホープ? 彼女が!? それこそ堪忍してくださいよ。 なんとなく苦手なんすよ、彼女」
「えー! 何? 彼女って誰のことよ」
お茶を3人分、お盆に乗せながら美咲が入って来た。
「あっ、美咲君、いいところに帰って来た。 今ね、高輪で03事件が発生したんだよ。
山科君と一緒に行ってもらえんか」
「えー、私ですか? 2人だけで・・・ですか?」
「来てもらったそうそうに悪いんだが、今、他に誰もいないんだよ。
まぁ直感だが03事件と言っても初動捜査だし、ややこしい話にはならんと思うから頼むよ」
「わかりました、美咲、山科警部補に同行します」
「まだ本庁の癖、抜けへんな、所轄は係長でいいんだよ」
「あんたこそ、関西訛り東京弁、止めてよね。 なんか変よ」
「ヘイヘイ、わかりもーした。 ほな、行きまっせ」
山科は美咲をポーンと叩き、行くぞとばかりの合図をした。
「山科係長! 逮捕します!」
「なんだよ? 藪から棒に」
「今、私のお尻、触ったでしょ。 セクハラ容疑で逮捕します」
「うそつけ、腰だろう、腰。 なんだよ、美咲ちゃんのお尻はくびれたところに付いてんのか?」
「あ~~、わいせつ容疑で逮捕します!」
「そんなこと言ってねーで、行くぞ! 近いから歩いて行くからな」
さっさと出て行く山科に、美咲は慌ててお茶を載せたお盆を課長のデスクに放り投げ、
カバンをひったくる様に取ると慌てて出ていった。
「おう、ありがたい。 お茶、3杯ももらえる」
渡辺課長は独り言を言いつつ、出がらしの茶をゆっくりとすすった。
「美咲君、マンションプレジデントって知ってるか?」
「いえ、知りません。 なんとなく偉そうな名前ですね」
「あ~、有名人ばかりが住んでる超高級マンションだ。
そんなマンションで死体が出たなんて、マンションの価値が下がるな」
「山科係長って、そういうふうに物事を見てるのですか?」
「いや、別に、フッとそう思っただけさ。 超高級マンションの値段が下がっても僕には前々関係ないからね」
ものの7、8分でマンションに着く。
15階に上がると近くの交番からの巡査が待機していた。
「ご苦労様です。 高輪署の山科です。 こちらが同じく美咲。 中の様子はどうですか?」
「特に荒らされた形跡はありません。
第一通報者の高橋さんが今、マンション管理人室で待機してもらっています。
現場は出来るだけ荒らさないようにしました」
「ありがとう、適切な処置です。 とりあえずガイシャを見せてもらえますか」
「こちらです」
巡査は先導し、リビングからベッドルームに続く部屋に案内した。
が、ベッドルームの扉の前に立ち、中には入ろうとせず「この中です」とだけ伝えた。
山科は無造作に入った。
「こ、こ、これは・・・、何?」
≪ 登場人物 一覧 ≫
港区 高輪署 捜査第一課 第二強行犯捜査 殺人犯捜査第6係
(殺人、傷害事件の捜査)
「緊急入電、緊急入電、0803、警視庁、通信司令室、20時33分入電、港区、高輪署管轄内にて女性の変死体の発見の通報あり。
所轄署は直ちに急行せよ。 場所は港区高輪6丁目○○-×× マンションプレジデント1505号室 至急急行されたし」
「おーい、山ちゃん、今、みんな出払って居ねえんだよ。 美咲君、誘って行ってくんね~かな」
「えー? あの新米をですかぁ? 勘弁してくださいよ」
「まあ、そう言うなって、我が捜査一課、六係の期待のホープなんだから」
「期待のホープ? 彼女が!? それこそ堪忍してくださいよ。 なんとなく苦手なんすよ、彼女」
「えー! 何? 彼女って誰のことよ」
お茶を3人分、お盆に乗せながら美咲が入って来た。
「あっ、美咲君、いいところに帰って来た。 今ね、高輪で03事件が発生したんだよ。
山科君と一緒に行ってもらえんか」
「えー、私ですか? 2人だけで・・・ですか?」
「来てもらったそうそうに悪いんだが、今、他に誰もいないんだよ。
まぁ直感だが03事件と言っても初動捜査だし、ややこしい話にはならんと思うから頼むよ」
「わかりました、美咲、山科警部補に同行します」
「まだ本庁の癖、抜けへんな、所轄は係長でいいんだよ」
「あんたこそ、関西訛り東京弁、止めてよね。 なんか変よ」
「ヘイヘイ、わかりもーした。 ほな、行きまっせ」
山科は美咲をポーンと叩き、行くぞとばかりの合図をした。
「山科係長! 逮捕します!」
「なんだよ? 藪から棒に」
「今、私のお尻、触ったでしょ。 セクハラ容疑で逮捕します」
「うそつけ、腰だろう、腰。 なんだよ、美咲ちゃんのお尻はくびれたところに付いてんのか?」
「あ~~、わいせつ容疑で逮捕します!」
「そんなこと言ってねーで、行くぞ! 近いから歩いて行くからな」
さっさと出て行く山科に、美咲は慌ててお茶を載せたお盆を課長のデスクに放り投げ、
カバンをひったくる様に取ると慌てて出ていった。
「おう、ありがたい。 お茶、3杯ももらえる」
渡辺課長は独り言を言いつつ、出がらしの茶をゆっくりとすすった。
「美咲君、マンションプレジデントって知ってるか?」
「いえ、知りません。 なんとなく偉そうな名前ですね」
「あ~、有名人ばかりが住んでる超高級マンションだ。
そんなマンションで死体が出たなんて、マンションの価値が下がるな」
「山科係長って、そういうふうに物事を見てるのですか?」
「いや、別に、フッとそう思っただけさ。 超高級マンションの値段が下がっても僕には前々関係ないからね」
ものの7、8分でマンションに着く。
15階に上がると近くの交番からの巡査が待機していた。
「ご苦労様です。 高輪署の山科です。 こちらが同じく美咲。 中の様子はどうですか?」
「特に荒らされた形跡はありません。
第一通報者の高橋さんが今、マンション管理人室で待機してもらっています。
現場は出来るだけ荒らさないようにしました」
「ありがとう、適切な処置です。 とりあえずガイシャを見せてもらえますか」
「こちらです」
巡査は先導し、リビングからベッドルームに続く部屋に案内した。
が、ベッドルームの扉の前に立ち、中には入ろうとせず「この中です」とだけ伝えた。
山科は無造作に入った。
「こ、こ、これは・・・、何?」
≪ 登場人物 一覧 ≫
港区 高輪署 捜査第一課 第二強行犯捜査 殺人犯捜査第6係
(殺人、傷害事件の捜査)
警 部 | 課 長 | 渡辺 敬之 | わたなべ たかゆき | 男 | 45 |
警 部 | 課長代理 | 岸上 征夫 | きしがみ ゆきお | 男 | 37 |
警部補 | 係 長 | 蒼井 大翔 | あおい だいと | 男 | 32 |
警部補 | 係 長 | 山科 俊平 | やましな しゅんぺい | 男 | 28 |
巡査長 | 係 | 美咲 彩 | みさき あや | 女 | 25 |
巡 査 | 係 | 真辺 真奈美 | まなべ まなみ | 女 | 22 |