2010-08-14(Sat)
巡査長 美咲 ~淫妖水魔編~ ≪第六話≫
第二章 第二の被害者
あれから約一ヵ月後、山科は美咲と真辺と交代交代ペアを組んでいた。
捜査内容が簡単なときは美咲、少し複雑な事件になると真辺とペアを組んだ。
真辺は真辺真奈美、22才。 短大を卒業してすぐこの六係に配属になった三年目。
おちゃらか美咲とは違い、静かな謎めいた女性だった。
少し暗いように思えるが頭はいい。
女の直観力が働き、たまにすごい推理を見せる。
今日は真辺とペアを組んでいた。
そのさなか、聞き込み調査をしていると山科の携帯が鳴った。
「なんだよ、このクソ忙しいときに・・・」見ると署からだった。
「ハイ、山科です。 あっ、はい、課長、・・ハイ・・・ハイ・・・えっ?・・今からですか?
ハイ・・・えっ? 本当ですか? 岸上さんも担当されたと思うんですが・・・
ハイ・・ハイ、じゃぁ真辺さんは・・ハイ、わかりました。 今から行きます」
「真辺君、すまん、どうやら一ヶ月前に銀座ホステスの変死体があっただろう。
それが蒲田署管轄でも起きたらしい。 応援に俺と美咲さんが呼ばれて、課長も手が空いたから来るって。
それで真辺君だけど、蒼井さんが来てくれるので駅の喫茶店で待って欲しいって」
「わかりました。 山科さんって美咲さんと仲がいいんですって?」
「そんな噂たってんの? 勘弁してって。 誰から聞いた?」
「いえ、私がそう思っただけです」
「勘弁してくれよ、真奈美ちゃん。 ほんと、それだけは、ネッ、頼むよ」
クスクス笑うだけの笑顔を真辺はみせた。
可愛い顔してるけど、なんとなくこいつ、やっぱり怪しい・・・
現場に着くと、そこは木造2階建てのアパートで課長と美咲は先に到着していた。
あいさつ回りに忙しい課長に声をかけづらかったが、課長から気がついてくれた。
「あっ、山科君。 お疲れ様。 助かるよ。 だいたいの事は終わったから一応現場を見てくれ。
さっき、美咲君に頼んだら、なんか断られちゃって・・・」
「わかりました。 行ってきます」
課長は言うだけ言うとそそくさと別の人に話しかけた。
近くにいた美咲が山科の袖を引っ張り、小声で話しかけた。
「私のこの間の様子、しゃべっちゃ、ただでは置かないからね」
「あ~~、こわ~、行ってきま~す」
中に入ると鑑識が片づけを始めていた。
死体には毛布がかぶせられ、めくってみると以前の記憶がよみがえった。
仰向けになった女性の顔はミイラのように干からび、年齢は推測不可能。
またしても衣類は一切身につけておらず、
本来なら女性の象徴、豊満な胸がしわがれたおばあちゃんのような形になっている。
目をつぶり目礼すると毛布をかけ、邪魔にならないよう部屋を出て行った。
「課長、まったく同じですね。 おいくつなんですか、彼女」
「21ということだ。 第一発見者は彼女のボーイフレンドでね。 よく知っている間柄らしい。
そうだ、中の捜査は終わったから両隣、階下の部屋の聞き込みをお願いできんか、さっき頼まれたんだよ」
「わかりました、美咲さんと行ってきます」
「行くぞ」というとピョコピョコついてきた。
「おい、なんか動きがギコチねーぞ」
「放っといてよ!」
≪ 登場人物 一覧 ≫
港区 高輪署 捜査第一課 第二強行犯捜査 殺人犯捜査第6係
(殺人、傷害事件の捜査)
あれから約一ヵ月後、山科は美咲と真辺と交代交代ペアを組んでいた。
捜査内容が簡単なときは美咲、少し複雑な事件になると真辺とペアを組んだ。
真辺は真辺真奈美、22才。 短大を卒業してすぐこの六係に配属になった三年目。
おちゃらか美咲とは違い、静かな謎めいた女性だった。
少し暗いように思えるが頭はいい。
女の直観力が働き、たまにすごい推理を見せる。
今日は真辺とペアを組んでいた。
そのさなか、聞き込み調査をしていると山科の携帯が鳴った。
「なんだよ、このクソ忙しいときに・・・」見ると署からだった。
「ハイ、山科です。 あっ、はい、課長、・・ハイ・・・ハイ・・・えっ?・・今からですか?
ハイ・・・えっ? 本当ですか? 岸上さんも担当されたと思うんですが・・・
ハイ・・ハイ、じゃぁ真辺さんは・・ハイ、わかりました。 今から行きます」
「真辺君、すまん、どうやら一ヶ月前に銀座ホステスの変死体があっただろう。
それが蒲田署管轄でも起きたらしい。 応援に俺と美咲さんが呼ばれて、課長も手が空いたから来るって。
それで真辺君だけど、蒼井さんが来てくれるので駅の喫茶店で待って欲しいって」
「わかりました。 山科さんって美咲さんと仲がいいんですって?」
「そんな噂たってんの? 勘弁してって。 誰から聞いた?」
「いえ、私がそう思っただけです」
「勘弁してくれよ、真奈美ちゃん。 ほんと、それだけは、ネッ、頼むよ」
クスクス笑うだけの笑顔を真辺はみせた。
可愛い顔してるけど、なんとなくこいつ、やっぱり怪しい・・・
現場に着くと、そこは木造2階建てのアパートで課長と美咲は先に到着していた。
あいさつ回りに忙しい課長に声をかけづらかったが、課長から気がついてくれた。
「あっ、山科君。 お疲れ様。 助かるよ。 だいたいの事は終わったから一応現場を見てくれ。
さっき、美咲君に頼んだら、なんか断られちゃって・・・」
「わかりました。 行ってきます」
課長は言うだけ言うとそそくさと別の人に話しかけた。
近くにいた美咲が山科の袖を引っ張り、小声で話しかけた。
「私のこの間の様子、しゃべっちゃ、ただでは置かないからね」
「あ~~、こわ~、行ってきま~す」
中に入ると鑑識が片づけを始めていた。
死体には毛布がかぶせられ、めくってみると以前の記憶がよみがえった。
仰向けになった女性の顔はミイラのように干からび、年齢は推測不可能。
またしても衣類は一切身につけておらず、
本来なら女性の象徴、豊満な胸がしわがれたおばあちゃんのような形になっている。
目をつぶり目礼すると毛布をかけ、邪魔にならないよう部屋を出て行った。
「課長、まったく同じですね。 おいくつなんですか、彼女」
「21ということだ。 第一発見者は彼女のボーイフレンドでね。 よく知っている間柄らしい。
そうだ、中の捜査は終わったから両隣、階下の部屋の聞き込みをお願いできんか、さっき頼まれたんだよ」
「わかりました、美咲さんと行ってきます」
「行くぞ」というとピョコピョコついてきた。
「おい、なんか動きがギコチねーぞ」
「放っといてよ!」
≪ 登場人物 一覧 ≫
港区 高輪署 捜査第一課 第二強行犯捜査 殺人犯捜査第6係
(殺人、傷害事件の捜査)
警 部 | 課 長 | 渡辺 敬之 | わたなべ たかゆき | 男 | 45 |
警 部 | 課長代理 | 岸上 征夫 | きしがみ ゆきお | 男 | 37 |
警部補 | 係 長 | 蒼井 大翔 | あおい だいと | 男 | 32 |
警部補 | 係 長 | 山科 俊平 | やましな しゅんぺい | 男 | 28 |
巡査長 | 係 | 美咲 彩 | みさき あや | 女 | 25 |
巡 査 | 係 | 真辺 真奈美 | まなべ まなみ | 女 | 22 |