2010-08-21(Sat)
巡査長 美咲 ~淫妖水魔編~ ≪第九話≫
階下に行くと中年の男性が現れた。
話の内容は、声は聞こえないものの、ギシギシと振動する音がやかましいとの事だった。
特段話をするわけでもなく、同じアパートに住む顔見知り程度の付き合いで、
今朝方は夜勤明けで6時くらいに戻ると、物音はなかったように思えるとの話。
別に進展する話は聞けなかった。
その事を課長に報告すると、今日はもう帰って報告書をまとめて蒲田署に送って欲しいということだった。
山科と美咲は駅に向かい歩き始めた。
駅に向かう途中、しばらく沈黙だったが美咲が口を開いた。
「ねぇ、山科さん、私って変ですか?」
「変って、別に、何も???」何のことか分からなかった。
「いや・・・その・・・世間知らずっていうか・・・」
山科はさっきの事だとようやく気がついた。
「そんな、美咲ちゃんは美咲ちゃんの人生があるんだし、それはそれなりの考え方をしてれば良いんだって」
「山科さんは、私のこと変だと思わないのですか?」
「そんな、別に変だとか思ってないですよ。 まして美咲ちゃんのプライベートは知りえないんだから。
僕には関係ないんでしょ」
「そうですか・・・関係・・・ないんですか・・・」
少々、山科は慌てた。
「いや、あの、その、仕事とプライベートは別、っていうことね。 変な意味で取らないでね」
「そうですか、わかりました」
そんな会話をしたことを気にもせず、山科は忘れてしまった。
4日後、蒲田署の会議に山科と美咲は出席した。
調査内容も前回と同様、急性脱水症状にて死亡と推定され、絞殺された形跡もなく、
ましてや薬物混入も見られなかった。
金品などの喪失物は本人しかわからず、こちらは迷宮入り。
髪の毛などの取得物は23人分と推定され、21名が男性のもの、2名は女性のものと思われ、
女性2名のうち1名はたまに遊びに来る姉の髪の毛であることが特定された。
≪ 登場人物 一覧 ≫
港区 高輪署 捜査第一課 第二強行犯捜査 殺人犯捜査第6係
(殺人、傷害事件の捜査)
話の内容は、声は聞こえないものの、ギシギシと振動する音がやかましいとの事だった。
特段話をするわけでもなく、同じアパートに住む顔見知り程度の付き合いで、
今朝方は夜勤明けで6時くらいに戻ると、物音はなかったように思えるとの話。
別に進展する話は聞けなかった。
その事を課長に報告すると、今日はもう帰って報告書をまとめて蒲田署に送って欲しいということだった。
山科と美咲は駅に向かい歩き始めた。
駅に向かう途中、しばらく沈黙だったが美咲が口を開いた。
「ねぇ、山科さん、私って変ですか?」
「変って、別に、何も???」何のことか分からなかった。
「いや・・・その・・・世間知らずっていうか・・・」
山科はさっきの事だとようやく気がついた。
「そんな、美咲ちゃんは美咲ちゃんの人生があるんだし、それはそれなりの考え方をしてれば良いんだって」
「山科さんは、私のこと変だと思わないのですか?」
「そんな、別に変だとか思ってないですよ。 まして美咲ちゃんのプライベートは知りえないんだから。
僕には関係ないんでしょ」
「そうですか・・・関係・・・ないんですか・・・」
少々、山科は慌てた。
「いや、あの、その、仕事とプライベートは別、っていうことね。 変な意味で取らないでね」
「そうですか、わかりました」
そんな会話をしたことを気にもせず、山科は忘れてしまった。
4日後、蒲田署の会議に山科と美咲は出席した。
調査内容も前回と同様、急性脱水症状にて死亡と推定され、絞殺された形跡もなく、
ましてや薬物混入も見られなかった。
金品などの喪失物は本人しかわからず、こちらは迷宮入り。
髪の毛などの取得物は23人分と推定され、21名が男性のもの、2名は女性のものと思われ、
女性2名のうち1名はたまに遊びに来る姉の髪の毛であることが特定された。
≪ 登場人物 一覧 ≫
港区 高輪署 捜査第一課 第二強行犯捜査 殺人犯捜査第6係
(殺人、傷害事件の捜査)
警 部 | 課 長 | 渡辺 敬之 | わたなべ たかゆき | 男 | 45 |
警 部 | 課長代理 | 岸上 征夫 | きしがみ ゆきお | 男 | 37 |
警部補 | 係 長 | 蒼井 大翔 | あおい だいと | 男 | 32 |
警部補 | 係 長 | 山科 俊平 | やましな しゅんぺい | 男 | 28 |
巡査長 | 係 | 美咲 彩 | みさき あや | 女 | 25 |
巡 査 | 係 | 真辺 真奈美 | まなべ まなみ | 女 | 22 |