2011-08-04(Thu)
ボクの幼なじみ(中学生編)130
それから直ぐに冬休みに入ったのですが、受験生にとってお正月休みはありません。
部活の練習しながらの塾通い。
塾帰りには黒木さんとデート出来ることもあって、充実した年末年始を迎えました。
残る問題はボクの学力だけ。
それもテストテストを繰り返すうちにⅡ類も射程圏に乗っかってきました。
あとは本番で緊張せず試験に取り組めるか、それに焦点がかかるのみ。
入試試験は2月2日。
それに向けてのラストスパート。
試験前日、黒木さんと『絶対合格』を近くの神社で祈願しました。
そういえばあれから黒木さんとキスはしていません。
二人とも高校に合格出来ればいつでも出来る、
だから今はあまり不埒な事を考えず一生懸命やっていこうと、
願掛けにも似たような気持ちだったからです。
試験当日、別々に学校に行ったのですが偶然にも黒木さんを見かけ、
お互いアイコンタクトで意志を伝えあったように思います。
試験は集中できました。
あとは結果のみ。
審判は3日後の土曜です。
試験が終わると塾生はまっすぐ塾に向かい、答え合わせです。
ボクはなんとか合格ラインに入っていたようですが、黒木さんはわかりません。
満点でない限り絶対合格と云えないハイベル、それでも塾の先生からは『ほぼ圏内』と言われたそうです。
とりあえずホッと一息をつきました。
もしダメだったら公立を考えなくちゃいけませんが、
それでも合格発表のまでのわずかな期間は勉強を休もうと思いました。
塾からも今、勉強しても身が入らなし、その方がいいとの勧めもあったからです。
ボクは部活の野球で思いっきり体を動かし、
黒木さんは生徒会を引退し本来のクラブ活動、吹奏楽部で後輩指導に当たっていました。
運命の日
貼りだされた受験番号を必死に探しました。
黒木さんは学部が違うので遠く離れたところにいます。
発表後の待合せ、校門のすぐ出た辺りで黒木さんを見つけました。
ボクは握りこぶしを胸にかざすと、黒木さんはにこやかな笑顔にうなずきを返してくれました。
(まぁこの手のお話、運命の大どんでん返しはないでしょう・・・^_^;)
校門周辺は人であふれかえっていましたが、
目と目とあったボクたちに周りの景色は一切消え、
黒木さんの事しか目に入りませんでした。
黒木さんが立ってるその場所、
体が吸い寄せられるように近づくとお互いの笑顔がクローズアップされるような気持ちでした。
言葉では確かめませんでした。
「帰る?」
「うん」
高校近くの駅に歩み始めた時、
「青井君?」
「ん?」
「例の返事、今、しなくちゃいけない?」
「今はいいよ。 だってお互い受かったことだけで十分」
「そう、そうね。 私も・・・」
「それより」 黒木さんの言葉を遮りました。
「?」
「それより、・・・、手、つないでもいい?」
「ええー、みんな、見てるわよ」
「かまわないって」
「同じ中学の子もいるよ」
「ダメ?」
「駄目じゃ、な、い、けど・・・」
顔を見合わせてクスッと笑みをこぼしました。
ボクは手を差し出すと、黒木さんも手を出してくれました。
みんなが見ている前で、手をつないで駅まで帰ったのです。
もちろん同じ学校の連中がどこかで見ているのも承知で。
月曜には噂になるだろうなぁ。
そんな気もしましたが、そんな事より将来の道が決まり、
希望に胸を膨らませた今では、学校で湧きあがる噂なんてチッポケに思えたのです。
部活の練習しながらの塾通い。
塾帰りには黒木さんとデート出来ることもあって、充実した年末年始を迎えました。
残る問題はボクの学力だけ。
それもテストテストを繰り返すうちにⅡ類も射程圏に乗っかってきました。
あとは本番で緊張せず試験に取り組めるか、それに焦点がかかるのみ。
入試試験は2月2日。
それに向けてのラストスパート。
試験前日、黒木さんと『絶対合格』を近くの神社で祈願しました。
そういえばあれから黒木さんとキスはしていません。
二人とも高校に合格出来ればいつでも出来る、
だから今はあまり不埒な事を考えず一生懸命やっていこうと、
願掛けにも似たような気持ちだったからです。
試験当日、別々に学校に行ったのですが偶然にも黒木さんを見かけ、
お互いアイコンタクトで意志を伝えあったように思います。
試験は集中できました。
あとは結果のみ。
審判は3日後の土曜です。
試験が終わると塾生はまっすぐ塾に向かい、答え合わせです。
ボクはなんとか合格ラインに入っていたようですが、黒木さんはわかりません。
満点でない限り絶対合格と云えないハイベル、それでも塾の先生からは『ほぼ圏内』と言われたそうです。
とりあえずホッと一息をつきました。
もしダメだったら公立を考えなくちゃいけませんが、
それでも合格発表のまでのわずかな期間は勉強を休もうと思いました。
塾からも今、勉強しても身が入らなし、その方がいいとの勧めもあったからです。
ボクは部活の野球で思いっきり体を動かし、
黒木さんは生徒会を引退し本来のクラブ活動、吹奏楽部で後輩指導に当たっていました。
運命の日
貼りだされた受験番号を必死に探しました。
黒木さんは学部が違うので遠く離れたところにいます。
発表後の待合せ、校門のすぐ出た辺りで黒木さんを見つけました。
ボクは握りこぶしを胸にかざすと、黒木さんはにこやかな笑顔にうなずきを返してくれました。
(まぁこの手のお話、運命の大どんでん返しはないでしょう・・・^_^;)
校門周辺は人であふれかえっていましたが、
目と目とあったボクたちに周りの景色は一切消え、
黒木さんの事しか目に入りませんでした。
黒木さんが立ってるその場所、
体が吸い寄せられるように近づくとお互いの笑顔がクローズアップされるような気持ちでした。
言葉では確かめませんでした。
「帰る?」
「うん」
高校近くの駅に歩み始めた時、
「青井君?」
「ん?」
「例の返事、今、しなくちゃいけない?」
「今はいいよ。 だってお互い受かったことだけで十分」
「そう、そうね。 私も・・・」
「それより」 黒木さんの言葉を遮りました。
「?」
「それより、・・・、手、つないでもいい?」
「ええー、みんな、見てるわよ」
「かまわないって」
「同じ中学の子もいるよ」
「ダメ?」
「駄目じゃ、な、い、けど・・・」
顔を見合わせてクスッと笑みをこぼしました。
ボクは手を差し出すと、黒木さんも手を出してくれました。
みんなが見ている前で、手をつないで駅まで帰ったのです。
もちろん同じ学校の連中がどこかで見ているのも承知で。
月曜には噂になるだろうなぁ。
そんな気もしましたが、そんな事より将来の道が決まり、
希望に胸を膨らませた今では、学校で湧きあがる噂なんてチッポケに思えたのです。