2011-10-20(Thu)
露出嬉戯 第14話
露出嬉戯 (ろしゅつきぎ) 第14話 (最終回) ≪ 露出の魅惑 社会人編 6 ≫
それからも何回か彼とバイクでのツーリングを楽しみました。
初めて行った土地では危険な遊びはしません。
だってどこから危ない事が待っているかも、わからないから。
ある日彼から連絡があって、今度の週末には実家に帰るのでデートはお預けを食らいました。
まぁ、そういうこともあるだろうし、
私も女友達に『最近、付き合いの悪い奴』とレッテルを貼られそうな雰囲気だったので、
たまにはその友達と遊びたいとも考えてた時期だったので丁度良かったのかもしれません。
メールは最近、あまりしません。
だってしつこい女だと思わるのもイヤで、2~3日に一回程度のペースでした。
送ると直ぐ返事が返って来るのは、ちょっと嬉しいけど・・・
でもある日、返信が帰ってこなかったのです。
大学の研究か、バイトで忙しいのか?
メールはもらったけど忙しいから後で返信しようと思ってそのまま忘れてしまったのか?
もしそうだったら、とっちめてやる!
返事がないからといってガンガン送るのも大人げない・・・
でも返信が来なくなって3日目、新しいメールを送ってもまた返信がありません。
ちょっと、もんもん。
次の日の夜、思い切って電話をしてみました。
着信は鳴るようです。
でも、出ない・・・
あきらめて寝ようとした時、彼からの携帯が鳴りました。
「もしもし、なんで、連絡くれないのよ! 怒ってんだぞ!」
怒り口調にも彼から電話をくれた安堵感にホッとして、可愛らしい怒り方をしました。
「もしもし、・・・」
ドキッ!としました。
おんな
彼の携帯番号の電話口から女性らしい声が聞こえてきました。
それからその人は一方的に喋りはじめ、私はしばらくその人に対し返事もせず、黙って聞いていました。
話が終わりかけた時、私は「わかりました。 直ぐにお伺いします」
私は急いで服を着替え、家族には何も言わず家を飛び出しました。
頭が真っ白です。
何も考えられません。
教えられた住所と道筋を頼りにあるマンションに到着しました。
玄関口で深呼吸、チャイムを鳴らしたのです。
中から先程の電話に出た女性がドアを開けてくれました。
「藍沢香央里さんですね」
「はい」
「どうぞ、こちらに」
物静かな対応でした。
通されたのは、玄関口のすぐ横にあるお部屋に、彼、修平がいました。
かっ、かれ、は・・・いました。
「ぅ、・・・うっ、・・・そ!」
「こっ、こんなの・・・、うそっ!」
修平がいたのは真っ白な布に包まれた小さな小箱の中、その後ろには彼の写真。
前にはお線香とろうそく、そしてお供え物。
電話主は彼のお母さんでした。
御仏前の前にペタリ、へたり込むように座り、彼、修平の写真を見ました。
彼は笑顔で私を出迎えてくれたのです。
でもその笑顔は動く事はありませんでした。
「いやっ! こんなの、おかしいっ。 ウソでしょ。 冗談でしょう。
ねっ、修平! そう言ってよ。 こんなこと、ありえない・・・って」
あたしのゆがみきったほほを涙つたうと、それから途切れることはありませんでした。
彼のお母さんからバイクの事故でなくなったと。
ガードレールにぶつかった時、運悪く首がひっかかってしまい、そのまま首が折れてしまったらしいと。
そんなことを、警察と病院で聞いた話を私に聞かせてくれたらしいのですが、
そのお母さんの声は遠く、まるで街の喧騒音のようにしか聞こえませんでした。
私は長い時間、修平の写真を見つめていました。
他の事は記憶にありません。
ゆがみ切った顔に、あふれる涙。
ただ呆然と見詰める写真。
記憶が走馬灯のように舞うとはこのことなのでしょう。
気がつけば私は小さな卓上テーブルに屈し、背中にはタオルケットがかかっていました。
寝起きの顔、修平の顔を見ながらつぶやきました。
『しゅうへい。 いまでも、あいしてる』
≪エンディングテーマ≫ 月 光 by 鬼束ちひろ
それからも何回か彼とバイクでのツーリングを楽しみました。
初めて行った土地では危険な遊びはしません。
だってどこから危ない事が待っているかも、わからないから。
ある日彼から連絡があって、今度の週末には実家に帰るのでデートはお預けを食らいました。
まぁ、そういうこともあるだろうし、
私も女友達に『最近、付き合いの悪い奴』とレッテルを貼られそうな雰囲気だったので、
たまにはその友達と遊びたいとも考えてた時期だったので丁度良かったのかもしれません。
メールは最近、あまりしません。
だってしつこい女だと思わるのもイヤで、2~3日に一回程度のペースでした。
送ると直ぐ返事が返って来るのは、ちょっと嬉しいけど・・・
でもある日、返信が帰ってこなかったのです。
大学の研究か、バイトで忙しいのか?
メールはもらったけど忙しいから後で返信しようと思ってそのまま忘れてしまったのか?
もしそうだったら、とっちめてやる!
返事がないからといってガンガン送るのも大人げない・・・
でも返信が来なくなって3日目、新しいメールを送ってもまた返信がありません。
ちょっと、もんもん。
次の日の夜、思い切って電話をしてみました。
着信は鳴るようです。
でも、出ない・・・
あきらめて寝ようとした時、彼からの携帯が鳴りました。
「もしもし、なんで、連絡くれないのよ! 怒ってんだぞ!」
怒り口調にも彼から電話をくれた安堵感にホッとして、可愛らしい怒り方をしました。
「もしもし、・・・」
ドキッ!としました。
おんな
彼の携帯番号の電話口から女性らしい声が聞こえてきました。
それからその人は一方的に喋りはじめ、私はしばらくその人に対し返事もせず、黙って聞いていました。
話が終わりかけた時、私は「わかりました。 直ぐにお伺いします」
私は急いで服を着替え、家族には何も言わず家を飛び出しました。
頭が真っ白です。
何も考えられません。
教えられた住所と道筋を頼りにあるマンションに到着しました。
玄関口で深呼吸、チャイムを鳴らしたのです。
中から先程の電話に出た女性がドアを開けてくれました。
「藍沢香央里さんですね」
「はい」
「どうぞ、こちらに」
物静かな対応でした。
通されたのは、玄関口のすぐ横にあるお部屋に、彼、修平がいました。
かっ、かれ、は・・・いました。
「ぅ、・・・うっ、・・・そ!」
「こっ、こんなの・・・、うそっ!」
修平がいたのは真っ白な布に包まれた小さな小箱の中、その後ろには彼の写真。
前にはお線香とろうそく、そしてお供え物。
電話主は彼のお母さんでした。
御仏前の前にペタリ、へたり込むように座り、彼、修平の写真を見ました。
彼は笑顔で私を出迎えてくれたのです。
でもその笑顔は動く事はありませんでした。
「いやっ! こんなの、おかしいっ。 ウソでしょ。 冗談でしょう。
ねっ、修平! そう言ってよ。 こんなこと、ありえない・・・って」
あたしのゆがみきったほほを涙つたうと、それから途切れることはありませんでした。
彼のお母さんからバイクの事故でなくなったと。
ガードレールにぶつかった時、運悪く首がひっかかってしまい、そのまま首が折れてしまったらしいと。
そんなことを、警察と病院で聞いた話を私に聞かせてくれたらしいのですが、
そのお母さんの声は遠く、まるで街の喧騒音のようにしか聞こえませんでした。
私は長い時間、修平の写真を見つめていました。
他の事は記憶にありません。
ゆがみ切った顔に、あふれる涙。
ただ呆然と見詰める写真。
記憶が走馬灯のように舞うとはこのことなのでしょう。
気がつけば私は小さな卓上テーブルに屈し、背中にはタオルケットがかかっていました。
寝起きの顔、修平の顔を見ながらつぶやきました。
『しゅうへい。 いまでも、あいしてる』
≪エンディングテーマ≫ 月 光 by 鬼束ちひろ