2011-11-15(Tue)
あおりんご 10
朝起きてみると黒木さんからのメールが来ていました。
ぐっすり寝ていたから気がつかなかった。
『携帯、買ったんだよね。 これからいつでもメールできると思うとすごく安心。
いつでもメールしてね』
安心っていう言葉が彼女の気持ちを表しているような気分で、
なんとなく愛おしさが感じられました。
今日は週末、土曜日、授業はないけど部活があります。
携帯を買ったおかげかなんか心ウキウキ気分で学校に向かいました。
部活では1年坊主なのでもっぱら走り込みとかキャッチボール、たまに打撃練習とか入ります。
それでも試合形式の練習の時は足の速いのを認められ、
無死ランナー一塁の時は必ずと言っていいほどランナー役をさせられました。
そして意地悪な先輩が盗塁のサインを出してくるのです。
打撃練習、バンド練習なのに盗塁って・・・
走らなかったら走らなかったでグランド3周が待ってるし、
アウトになったもんにはプラ2周で合計5周・・・なんで俺だけ。
その時、いつも監督(先生)は笑って見ています。
こっちも走るが嫌だから先輩ピッチャーのモーションを盗むのがだんだんうまくなってきました。
そしたらその先輩から文句言われるし、
後輩に走られたらカッコ悪いもんで本気になってけん制球投げてくるし・・・俺って損な役。
何度思い出しても悔しいのが、練習なのにピッチャー、キャッチャー、1塁手が集まって打合せ、
練習なのに・・・と思っていました。
打合せが終わりそれぞれ守備につくと、一塁ベースから離れてリードをとります。
そしたら一塁手の先輩が後ろからスルスル近寄ってきて僕にグローブでタッチ。
えっ、なにっ!と思った瞬間、審判がアウト宣言!
やられた~~、なんと練習で『隠し玉』
その日、練習が終わると僕だけグランド10周・・・とほほほ。
練習が終わり、みんなが道具の片づけをしているときに僕だけグランドをトコトコ10周。
「こら~、青井、真剣に走れー」
先輩の厳しい声が届きます。
ひぇ~なんでおれだけ・・・ランナー役の選手なんて2年や3年生でもいるだろうに、
ブツブツ文句を独り言のように呟きながら走ってました。
先輩たちがぞろぞろ部室に引き上げた後、グランドの片隅を通りかかると黒木さんが見えたのです。
「待ってるから」
その一言が聞こえると“うん”とうなずき手を上げ合図をすると、それからは懸命に走りました。
チンタラ走ってたらいつ終わるかわからなかったけど、俄然やる気が出ました。
懸命に走って10周を乗り切り、水場で頭から水をかぶって顔を洗っていると、
「おう、最後の方はまじめに走ってたやないか、その調子で頑張れよ」
「先輩、勘弁してください。 キャプテンもお願いしますよ」
「いや、お前はええやっちゃ。 期待しとるからしっかり走りこめ。 ワハハっ」
そう言いながら帰っていくのです。
なんだか期待してるといいながらいじめかと思いつつ、まぁそんなことどうでもええわ、
それより急いで着替えを済まさないと黒木さんが待ってるし。
ぐっすり寝ていたから気がつかなかった。
『携帯、買ったんだよね。 これからいつでもメールできると思うとすごく安心。
いつでもメールしてね』
安心っていう言葉が彼女の気持ちを表しているような気分で、
なんとなく愛おしさが感じられました。
今日は週末、土曜日、授業はないけど部活があります。
携帯を買ったおかげかなんか心ウキウキ気分で学校に向かいました。
部活では1年坊主なのでもっぱら走り込みとかキャッチボール、たまに打撃練習とか入ります。
それでも試合形式の練習の時は足の速いのを認められ、
無死ランナー一塁の時は必ずと言っていいほどランナー役をさせられました。
そして意地悪な先輩が盗塁のサインを出してくるのです。
打撃練習、バンド練習なのに盗塁って・・・
走らなかったら走らなかったでグランド3周が待ってるし、
アウトになったもんにはプラ2周で合計5周・・・なんで俺だけ。
その時、いつも監督(先生)は笑って見ています。
こっちも走るが嫌だから先輩ピッチャーのモーションを盗むのがだんだんうまくなってきました。
そしたらその先輩から文句言われるし、
後輩に走られたらカッコ悪いもんで本気になってけん制球投げてくるし・・・俺って損な役。
何度思い出しても悔しいのが、練習なのにピッチャー、キャッチャー、1塁手が集まって打合せ、
練習なのに・・・と思っていました。
打合せが終わりそれぞれ守備につくと、一塁ベースから離れてリードをとります。
そしたら一塁手の先輩が後ろからスルスル近寄ってきて僕にグローブでタッチ。
えっ、なにっ!と思った瞬間、審判がアウト宣言!
やられた~~、なんと練習で『隠し玉』
その日、練習が終わると僕だけグランド10周・・・とほほほ。
練習が終わり、みんなが道具の片づけをしているときに僕だけグランドをトコトコ10周。
「こら~、青井、真剣に走れー」
先輩の厳しい声が届きます。
ひぇ~なんでおれだけ・・・ランナー役の選手なんて2年や3年生でもいるだろうに、
ブツブツ文句を独り言のように呟きながら走ってました。
先輩たちがぞろぞろ部室に引き上げた後、グランドの片隅を通りかかると黒木さんが見えたのです。
「待ってるから」
その一言が聞こえると“うん”とうなずき手を上げ合図をすると、それからは懸命に走りました。
チンタラ走ってたらいつ終わるかわからなかったけど、俄然やる気が出ました。
懸命に走って10周を乗り切り、水場で頭から水をかぶって顔を洗っていると、
「おう、最後の方はまじめに走ってたやないか、その調子で頑張れよ」
「先輩、勘弁してください。 キャプテンもお願いしますよ」
「いや、お前はええやっちゃ。 期待しとるからしっかり走りこめ。 ワハハっ」
そう言いながら帰っていくのです。
なんだか期待してるといいながらいじめかと思いつつ、まぁそんなことどうでもええわ、
それより急いで着替えを済まさないと黒木さんが待ってるし。