2011-11-17(Thu)
あおりんご 11
「お疲れ様」
「ごめん、待たせて」
「ううん、そんなことないわ。 私が勝手に待ってただけ。 迷惑じゃなかった?」
黒木さんは中庭にあるベンチに腰掛けて本を読んでいました。
僕らのⅡ類はややこしいですが隔週で土曜の授業があり、
Ⅰ類は完全に土曜日の授業はありません。
でも黒木さんのⅤ類やⅢ類などは特進クラスなので毎週土曜日にも授業があります。
「迷惑なんて、そんなこと絶対ありえへんわ。 そんで帰る?」
「もう野球部の皆さんは大丈夫かしら」
「俺が最後の鍵かけたから大丈夫やと思う」
「そう、じゃぁ、帰ろっか」
「ああ」
大丈夫といったものの女の子と二人きりで歩いていると見つかるかもしれないのでちょっとドキドキ、
周りの様子を伺いながら校門を出ました。
駅までは10分くらいです。
「最後は走らされていたんでしょ」
「ああ、あれ、えげつないんや。 練習やゆうのに隠し玉を使って僕をアウトにしよってん」
「隠し玉って?」
「ピッチャーがボールを持つフリして、ホンマは1塁の先輩がグローブでボールを隠しながら僕にタッチ、そんでアウト」
「まぁ、野球ってそんなことできるの?」
「まぁ、まずはめったにせいへんけど、それも練習では・・・」
「それで?」
「先輩曰く、隠し玉の練習やて、ホンマに・・・、それでアウトになったもんやからグランド10周」
「あらっ、かわいそうに。 お疲れ様」
「ええけどな、走るのはそんなに嫌じゃないし」
「そうなの? 私だったら嫌だけどな」
「野球は走るのが基本やし、なんぼ走っても走り過ぎるってゆうことないし」
「そっか、練習、頑張ってんだ」
「黒木さんの勉強量にしたらたいしたことない」
「あらっ、私もどうだか。 もっとしなくちゃならないって思ってるわよ」
「そうなん? それ以上勉強したら天才になりすぎるやん」
「なりすぎるって、あははっ、面白い事言うわね。 でもそんなことないわよ」
「そうかぁ? むちゃむちゃ勉強してるやん」
「そういうふりしてるだけ。 わたしなんかまだまだ」
「そっかなぁ、そんな風に見えへんけど」
「それが私のうまいところなのよ。 どこか寄っていく?」
「ああええよ。 今日はあと家に帰るだけやし」
学校の駅前だったら見つかる可能性があるので、1駅だけ乗り隣の駅前のハンバーガー屋さんに行きました。
ハンバーガーと飲み物買って席につくと、「ねぇ、ところで携帯、買ったんだよね。 見せて」
「ごめん、待たせて」
「ううん、そんなことないわ。 私が勝手に待ってただけ。 迷惑じゃなかった?」
黒木さんは中庭にあるベンチに腰掛けて本を読んでいました。
僕らのⅡ類はややこしいですが隔週で土曜の授業があり、
Ⅰ類は完全に土曜日の授業はありません。
でも黒木さんのⅤ類やⅢ類などは特進クラスなので毎週土曜日にも授業があります。
「迷惑なんて、そんなこと絶対ありえへんわ。 そんで帰る?」
「もう野球部の皆さんは大丈夫かしら」
「俺が最後の鍵かけたから大丈夫やと思う」
「そう、じゃぁ、帰ろっか」
「ああ」
大丈夫といったものの女の子と二人きりで歩いていると見つかるかもしれないのでちょっとドキドキ、
周りの様子を伺いながら校門を出ました。
駅までは10分くらいです。
「最後は走らされていたんでしょ」
「ああ、あれ、えげつないんや。 練習やゆうのに隠し玉を使って僕をアウトにしよってん」
「隠し玉って?」
「ピッチャーがボールを持つフリして、ホンマは1塁の先輩がグローブでボールを隠しながら僕にタッチ、そんでアウト」
「まぁ、野球ってそんなことできるの?」
「まぁ、まずはめったにせいへんけど、それも練習では・・・」
「それで?」
「先輩曰く、隠し玉の練習やて、ホンマに・・・、それでアウトになったもんやからグランド10周」
「あらっ、かわいそうに。 お疲れ様」
「ええけどな、走るのはそんなに嫌じゃないし」
「そうなの? 私だったら嫌だけどな」
「野球は走るのが基本やし、なんぼ走っても走り過ぎるってゆうことないし」
「そっか、練習、頑張ってんだ」
「黒木さんの勉強量にしたらたいしたことない」
「あらっ、私もどうだか。 もっとしなくちゃならないって思ってるわよ」
「そうなん? それ以上勉強したら天才になりすぎるやん」
「なりすぎるって、あははっ、面白い事言うわね。 でもそんなことないわよ」
「そうかぁ? むちゃむちゃ勉強してるやん」
「そういうふりしてるだけ。 わたしなんかまだまだ」
「そっかなぁ、そんな風に見えへんけど」
「それが私のうまいところなのよ。 どこか寄っていく?」
「ああええよ。 今日はあと家に帰るだけやし」
学校の駅前だったら見つかる可能性があるので、1駅だけ乗り隣の駅前のハンバーガー屋さんに行きました。
ハンバーガーと飲み物買って席につくと、「ねぇ、ところで携帯、買ったんだよね。 見せて」