2011-12-03(Sat)
あおりんご 18
「ふ~ん、その先は、経験ないんだ」
ギグッ、一瞬、奈美の裸体が浮かびました。
「えっ、あるの!」
ギグッ!「ええっ、そんなん、あるはずないやん」
「うそだ。 だって今、何か思い出したみたいだった」
「ちゃうて、そんなん、あれへん。 あるはずないやろ」
「うそっ! ちゃんと顔に嘘って書いてある」
固まってしまいました。
「ああっ、わかった。 ひょっとして・・・そのお相手は黒木さんじゃないんだ」
もう破れかぶれです。
「・・・」
「思ったよりやるわね」
「・・・」
「ますます決まりね。 否定しないんだもん」
何にも言えなくなるとはこのことです。
「思ってたより女の子に手出すの、早いんだ」
「・・・」
「私もここにいたら危ない?」
そんなことあるはずないやろと思ったけど、口には出しませんでした。
「ふ~ん、いろいろ教えてね。 先輩っ!」
「先輩って・・・」
「だってあたしはそこまで経験ないもの。 だから先輩」
「・・・」
「勿論このことは誰にも内緒にするし、当然黒木さんにも。
あたしが黒木さんと話をすることもないと思うけど、もしあったとしても絶対言わないから安心しといて」
「そんな事言われても」
「大丈夫、黒木さんだけじゃないわ。 私の友達にも絶対言わないから。 私だけの秘密」
「・・・」
「そっか、フェアーじゃないわね。 私の秘密も握っとく?」
「そんなん、言われても、困る」
「じゃぁ、私だけが喋っちゃうわね。 私も男の子とデートして手握ったり、キスしたことはあるわ。
でもその先はまだないの。 で、・・・」
「?」
「で、私に告白したのは同じクラスの竹下くん」
同じクラスと聞いて思い出した。
あまり話したことはないけど、確かサッカー部のナンパみたいな野郎。
いつもヘラヘラ笑ってて大声で喋ってるうるさい奴、そんな印象だった。
「これでお互いの秘密の握り合いっ子。 もし竹下君のことがバレたら翔だと思っちゃうからね」
「ええっ、そんな」
「だからお互いの秘密。 ああっ、なんかドキドキしてきた。
付き合ってもいないのにお互いのそんな秘密知ってるって、なんかワクワクしない?」
「うっ、うん・・・」
「そろそろ遅くなっちゃうから、あたし帰る」
「あっ、うん」
「今日は私が誘ったから、私のおごり。 でも今度からちゃんと割り勘にしようね」
「そんなん、悪いって」
「ううん、いいの。 今日だけ特別。 イコ」
席を立つと精算をすまし表に出ました。
「今日、来てくれてありがとう。 話ができてよかったわ。 でも本当は来るの嫌だったんでしょ」
「いや、そんなことは」 儀礼的な返事をしてしまった。
「本当に嫌だったら、席に来なくてもメールくれればよかったのに」
あっちゃぁー、その手があったか、思いつかんかった。 まだまだ携帯初心者。
≪第二章 携帯電話 終り≫
ギグッ、一瞬、奈美の裸体が浮かびました。
「えっ、あるの!」
ギグッ!「ええっ、そんなん、あるはずないやん」
「うそだ。 だって今、何か思い出したみたいだった」
「ちゃうて、そんなん、あれへん。 あるはずないやろ」
「うそっ! ちゃんと顔に嘘って書いてある」
固まってしまいました。
「ああっ、わかった。 ひょっとして・・・そのお相手は黒木さんじゃないんだ」
もう破れかぶれです。
「・・・」
「思ったよりやるわね」
「・・・」
「ますます決まりね。 否定しないんだもん」
何にも言えなくなるとはこのことです。
「思ってたより女の子に手出すの、早いんだ」
「・・・」
「私もここにいたら危ない?」
そんなことあるはずないやろと思ったけど、口には出しませんでした。
「ふ~ん、いろいろ教えてね。 先輩っ!」
「先輩って・・・」
「だってあたしはそこまで経験ないもの。 だから先輩」
「・・・」
「勿論このことは誰にも内緒にするし、当然黒木さんにも。
あたしが黒木さんと話をすることもないと思うけど、もしあったとしても絶対言わないから安心しといて」
「そんな事言われても」
「大丈夫、黒木さんだけじゃないわ。 私の友達にも絶対言わないから。 私だけの秘密」
「・・・」
「そっか、フェアーじゃないわね。 私の秘密も握っとく?」
「そんなん、言われても、困る」
「じゃぁ、私だけが喋っちゃうわね。 私も男の子とデートして手握ったり、キスしたことはあるわ。
でもその先はまだないの。 で、・・・」
「?」
「で、私に告白したのは同じクラスの竹下くん」
同じクラスと聞いて思い出した。
あまり話したことはないけど、確かサッカー部のナンパみたいな野郎。
いつもヘラヘラ笑ってて大声で喋ってるうるさい奴、そんな印象だった。
「これでお互いの秘密の握り合いっ子。 もし竹下君のことがバレたら翔だと思っちゃうからね」
「ええっ、そんな」
「だからお互いの秘密。 ああっ、なんかドキドキしてきた。
付き合ってもいないのにお互いのそんな秘密知ってるって、なんかワクワクしない?」
「うっ、うん・・・」
「そろそろ遅くなっちゃうから、あたし帰る」
「あっ、うん」
「今日は私が誘ったから、私のおごり。 でも今度からちゃんと割り勘にしようね」
「そんなん、悪いって」
「ううん、いいの。 今日だけ特別。 イコ」
席を立つと精算をすまし表に出ました。
「今日、来てくれてありがとう。 話ができてよかったわ。 でも本当は来るの嫌だったんでしょ」
「いや、そんなことは」 儀礼的な返事をしてしまった。
「本当に嫌だったら、席に来なくてもメールくれればよかったのに」
あっちゃぁー、その手があったか、思いつかんかった。 まだまだ携帯初心者。
≪第二章 携帯電話 終り≫