2012-01-12(Thu)
あおりんご 32
暗い夜道、街灯がポツリポツリ明るい。
自転車を止め、小さな公園のベンチに座った。
なんとなくわかりかけている。
人生に・・・乾きを覚えているのだ。
ザラザラした空気が、あたしの周りにまとわりついている。
「恋か・・・」 誰もいない公園でつぶやいてみた。
女の子なんだから恋愛に興味がないといえば嘘になる。
実は内心、誰にも言ったことはないけど自分のことをオマセサンと思ってた。
幼稚園の頃から好きな男の子はたくさんいた。
でもそれを口にすることはなく、小学校へ上がると忘れた。
するとまた別の子を好きになった。
でも自分からそんなことは言えない。
小学校ではクラス替えになると、それでいつも途切れてしまう。
一時期、あっちこっちに好きな男の子が出来て、自分は恋多きな女かとも思ったこともあった。
恥ずかしく、それが嫌で自分の気持を押し殺した。
するといつの頃からか、好きな男の子ができなくなった。
良い人だと思える男の子が、回りにいなかったかもしれない。
そういえば最近好きなこと、好きなものと感じたものがない。
あぁ~ぁ、私ってダメな子なのかな。
ベンチの前にあった小石を蹴ってみた。
コロコロ転がってすぐに止まった。
私って、つまらない子。
私も、先生が云う胸が熱く焼けるほど恋がしてみたい。
その手の本はいっぱい、いっぱいいっぱい読んだ。
うらやましいと思ったけど、その反面、自分にはできないと思った。
何もかも捨てて男のもとに走り愛を捧げる、そんな可愛い女性を演じてみたかった。
でも、それはできない。
たまたま勉強ができたお陰で、学校の先生や塾の先生、
それに親も賛同して一流の学校を目指すことが自分に与えられた使命。
そんな周りの期待を裏切って恋愛に没頭することなんてできない。
また小石を蹴ってみた。
少し転がってはすぐに止まる。
つまらない子、ゆい。
そんな、急に恋をしなさいってそれは無理。
だって恋愛には相手が必要なんだから。
そんな男の子、王子様のような男の子は急に現れるはずがない。
あぁ~ぁ、いつまでもクヨクヨしたって始まらない。
私の悪い癖。
気持ちを切り替え、自転車に乗るとものすごいスピードで街を走った。
夜風が心に気持ちいい。
少し遠回りして帰ろっと!
駅に近づいた。
暗い夜道から、駅前の商店街から明かりがこぼれて街が明るい。
その光を見て 『そうだ、あたしには明るい未来が待っているんだ』
そう思って駅に近づくと、道角から少し入ったところで野球のバットを振っている男の子を見つけた。
『うん、もぉ~、夜道にあぶないな』 近づくと、その子はバットの素振りをやめた。
その脇道を通り過ぎるとき、男の子をチラ見した。
見覚えのある子、そうだ! クラスメートの男の子。
彼は私が近づくのを知って素振りをやめ、バットのグリップ辺りを握りしめ、その握り方を考えているようだった。
グリップを見つめる眼差し、その顔から汗がいっぱい吹き出し、街灯の灯りに照らされ光ってた。
その時、特別な感情は湧かなかったけど、なんとなく興味を持った。
交差点の角を曲がり、彼から見えなくなった所で自転車を止め、
歩いて戻ると物陰から彼の様子を伺うと、暗い夜道、誰もいなくなるとバットを振り回していた。
何度も何度も、バットを振り回している。
彼は真面目な眼差しをしていた。
ひたいには汗。
彼にはピッチャーから投げられるボールが見えているのだろうか。
そんなことを思わせるぐらいの真剣な目をしていた。
いいなぁ、真剣に打ち込めるものがあって。
彼は確か野球部。
大会が近いことは生徒会の部活活動報告で知っていた。
彼はそのために一生懸命、練習している。
そんな彼をみて、わたしは・・・なにしてるんだろう。
自転車を止め、小さな公園のベンチに座った。
なんとなくわかりかけている。
人生に・・・乾きを覚えているのだ。
ザラザラした空気が、あたしの周りにまとわりついている。
「恋か・・・」 誰もいない公園でつぶやいてみた。
女の子なんだから恋愛に興味がないといえば嘘になる。
実は内心、誰にも言ったことはないけど自分のことをオマセサンと思ってた。
幼稚園の頃から好きな男の子はたくさんいた。
でもそれを口にすることはなく、小学校へ上がると忘れた。
するとまた別の子を好きになった。
でも自分からそんなことは言えない。
小学校ではクラス替えになると、それでいつも途切れてしまう。
一時期、あっちこっちに好きな男の子が出来て、自分は恋多きな女かとも思ったこともあった。
恥ずかしく、それが嫌で自分の気持を押し殺した。
するといつの頃からか、好きな男の子ができなくなった。
良い人だと思える男の子が、回りにいなかったかもしれない。
そういえば最近好きなこと、好きなものと感じたものがない。
あぁ~ぁ、私ってダメな子なのかな。
ベンチの前にあった小石を蹴ってみた。
コロコロ転がってすぐに止まった。
私って、つまらない子。
私も、先生が云う胸が熱く焼けるほど恋がしてみたい。
その手の本はいっぱい、いっぱいいっぱい読んだ。
うらやましいと思ったけど、その反面、自分にはできないと思った。
何もかも捨てて男のもとに走り愛を捧げる、そんな可愛い女性を演じてみたかった。
でも、それはできない。
たまたま勉強ができたお陰で、学校の先生や塾の先生、
それに親も賛同して一流の学校を目指すことが自分に与えられた使命。
そんな周りの期待を裏切って恋愛に没頭することなんてできない。
また小石を蹴ってみた。
少し転がってはすぐに止まる。
つまらない子、ゆい。
そんな、急に恋をしなさいってそれは無理。
だって恋愛には相手が必要なんだから。
そんな男の子、王子様のような男の子は急に現れるはずがない。
あぁ~ぁ、いつまでもクヨクヨしたって始まらない。
私の悪い癖。
気持ちを切り替え、自転車に乗るとものすごいスピードで街を走った。
夜風が心に気持ちいい。
少し遠回りして帰ろっと!
駅に近づいた。
暗い夜道から、駅前の商店街から明かりがこぼれて街が明るい。
その光を見て 『そうだ、あたしには明るい未来が待っているんだ』
そう思って駅に近づくと、道角から少し入ったところで野球のバットを振っている男の子を見つけた。
『うん、もぉ~、夜道にあぶないな』 近づくと、その子はバットの素振りをやめた。
その脇道を通り過ぎるとき、男の子をチラ見した。
見覚えのある子、そうだ! クラスメートの男の子。
彼は私が近づくのを知って素振りをやめ、バットのグリップ辺りを握りしめ、その握り方を考えているようだった。
グリップを見つめる眼差し、その顔から汗がいっぱい吹き出し、街灯の灯りに照らされ光ってた。
その時、特別な感情は湧かなかったけど、なんとなく興味を持った。
交差点の角を曲がり、彼から見えなくなった所で自転車を止め、
歩いて戻ると物陰から彼の様子を伺うと、暗い夜道、誰もいなくなるとバットを振り回していた。
何度も何度も、バットを振り回している。
彼は真面目な眼差しをしていた。
ひたいには汗。
彼にはピッチャーから投げられるボールが見えているのだろうか。
そんなことを思わせるぐらいの真剣な目をしていた。
いいなぁ、真剣に打ち込めるものがあって。
彼は確か野球部。
大会が近いことは生徒会の部活活動報告で知っていた。
彼はそのために一生懸命、練習している。
そんな彼をみて、わたしは・・・なにしてるんだろう。