2012-02-28(Tue)
あおりんご 51
待ち合わせはいつもドキドキ。
彼が1秒でも早く来てくれるのを願ってた。
駅前のあっちに行ったりこっちに来たり、ソワソワして落ち着かない気分でいると彼はやって来ました。
まずはCDを返して、その後クッキーの話を出すとすんなり彼の家に行こうとなったのです。
よかった、私から言い出さなくって。
内心、うふっって思いながら彼の後について行きました。
少しは慣れた彼のお部屋。
家ではお店をしているけど、彼のお部屋からは物音ひとつ聞こえて来ません。
ちょっと遠いのかな?
テーブルを挟んでお話も一段落すると、またバッドが目に入りました。
前にも素振りをやってみたのですが、またやりたくなったのです。
「ねえっ、バッドのスイングってやり方ってあるの?」
「あぁ、基本はちゃんとあっていろんなスイング打法がある」
「ちょっと、教えてくれない?」
彼は野球のマニュアル書を取り出してあれこれ説明してくれました。
でも実際に振ってみないと実感がわかない。
立って素振りをすることになりました。
「こんな感じ?」
「いや、インパクトの瞬間は手はなるべく曲げないようにしてグィッと押し出すように」
「こう?」
「いや、脇が甘い。 グッと脇を閉めて。 腰がふらつかないように」
「こういうふう?」
「んん、ちょっとちゃう。 ちょっといい?」
「うん、お願い」
彼は私の背後から抱きしめるような感じで、後ろからバットを握る手に添えてくれました。
青井くん・・・、近すぎ・・・。
彼の胸板が私の背中に・・・
「グッと腰を据えて、最初は柔らかくても真正面に来たときはビシッと決めないと」
「う、うん。 こう?」
「もう少し、力を入れて」
青井くん・・・、あたしのお尻に何か当たってる。
後ろから抱きしめられたような感じで、しかもお尻に何か・・・
ボォ~としちゃったら足を滑らせてしまったのです。
「あっ!」
「あぶない!」
小さく叫んだのは覚えていますが、足が滑って、体が浮き上がり目の前の光景が流れたのです。
机や本棚、壁や天井の景色なんかが目に飛び込んできて、どんな姿勢になっているのかわかりません。
怖くなって目をつぶってしまいました。
ドサッ!
うまくベッドに倒れたようです。
全然痛くありませんでした。
その代わり青井くんが上手くリードしてくれたのか、
体がかぶさっているのはいいのですが、彼の腕は私の下敷きでした。
痛いだろうから腕を抜くときは体を浮かせました。
両腕を私の背中から外すと彼は離れようとしたので、つい背中に腕を回したのです。
私の体にかぶさってる彼、重いけどその重さが気持ちよかったんです。
暖かい、彼の温もりを体全身に浴びてるような優しい気分になれたのです。
このまましばらくこうしていたい。
そう、想いました。
ただジッと抱き合ったまま、時を過ごす。
女の子だったら誰でも憧れる時間。
気分がとてもやさしくなれました。
ズシッとした彼の体を全身に受け止め、温もりを感じ取る。
でもその想いはそう長く続かなかったのです。
彼の鼻息が私の顔にかかりました。
目をつぶっているのでどのくらいの距離かわからないけど、彼の顔が私の顔のすぐそばにあるようです。
これって・・・
彼が1秒でも早く来てくれるのを願ってた。
駅前のあっちに行ったりこっちに来たり、ソワソワして落ち着かない気分でいると彼はやって来ました。
まずはCDを返して、その後クッキーの話を出すとすんなり彼の家に行こうとなったのです。
よかった、私から言い出さなくって。
内心、うふっって思いながら彼の後について行きました。
少しは慣れた彼のお部屋。
家ではお店をしているけど、彼のお部屋からは物音ひとつ聞こえて来ません。
ちょっと遠いのかな?
テーブルを挟んでお話も一段落すると、またバッドが目に入りました。
前にも素振りをやってみたのですが、またやりたくなったのです。
「ねえっ、バッドのスイングってやり方ってあるの?」
「あぁ、基本はちゃんとあっていろんなスイング打法がある」
「ちょっと、教えてくれない?」
彼は野球のマニュアル書を取り出してあれこれ説明してくれました。
でも実際に振ってみないと実感がわかない。
立って素振りをすることになりました。
「こんな感じ?」
「いや、インパクトの瞬間は手はなるべく曲げないようにしてグィッと押し出すように」
「こう?」
「いや、脇が甘い。 グッと脇を閉めて。 腰がふらつかないように」
「こういうふう?」
「んん、ちょっとちゃう。 ちょっといい?」
「うん、お願い」
彼は私の背後から抱きしめるような感じで、後ろからバットを握る手に添えてくれました。
青井くん・・・、近すぎ・・・。
彼の胸板が私の背中に・・・
「グッと腰を据えて、最初は柔らかくても真正面に来たときはビシッと決めないと」
「う、うん。 こう?」
「もう少し、力を入れて」
青井くん・・・、あたしのお尻に何か当たってる。
後ろから抱きしめられたような感じで、しかもお尻に何か・・・
ボォ~としちゃったら足を滑らせてしまったのです。
「あっ!」
「あぶない!」
小さく叫んだのは覚えていますが、足が滑って、体が浮き上がり目の前の光景が流れたのです。
机や本棚、壁や天井の景色なんかが目に飛び込んできて、どんな姿勢になっているのかわかりません。
怖くなって目をつぶってしまいました。
ドサッ!
うまくベッドに倒れたようです。
全然痛くありませんでした。
その代わり青井くんが上手くリードしてくれたのか、
体がかぶさっているのはいいのですが、彼の腕は私の下敷きでした。
痛いだろうから腕を抜くときは体を浮かせました。
両腕を私の背中から外すと彼は離れようとしたので、つい背中に腕を回したのです。
私の体にかぶさってる彼、重いけどその重さが気持ちよかったんです。
暖かい、彼の温もりを体全身に浴びてるような優しい気分になれたのです。
このまましばらくこうしていたい。
そう、想いました。
ただジッと抱き合ったまま、時を過ごす。
女の子だったら誰でも憧れる時間。
気分がとてもやさしくなれました。
ズシッとした彼の体を全身に受け止め、温もりを感じ取る。
でもその想いはそう長く続かなかったのです。
彼の鼻息が私の顔にかかりました。
目をつぶっているのでどのくらいの距離かわからないけど、彼の顔が私の顔のすぐそばにあるようです。
これって・・・