2012-03-24(Sat)
あおりんご 62
本当は彼とキスしてる間、胸の所に手が当たったような気がした。
でも気がしただけで、実感はない。
あとで何度思い出そうとしても思い出せない。
本当にそうだったんだろうか、今でもそう思う。
もし本当に手が胸に触れていたなら、嫌じゃないけど怖い気がする。
なにが怖いのかもわからないけど、なんとなく。
いつも答えをちゃんと導き出すゆいなのに、こんなゆいはダメだと自分で叱る。
何事にも正解を求める癖がこんなところでも顔をのぞかす。
「本当は触られてたんじゃない?」
「それが本当にわからないのよ。 自分でもそんなんじゃダメだと思うけど」
「天才美少女ゆいでも思い通りにならないこともあるってわけか」
「なによそれ、天才美少女は余計」
「あははっ、いいじゃない、本のタイトルみたいで」
「でもさ、本当は胸、モミモミされたんじゃない?」
「いやらしい表現。 そんなの、わかんないわよ」
「だって自分の体でしょ、自分だったらわかるでしょ」
いつも冷静にて沈着、泰然自若(たいぜんじじゃく)それが私のモットー。
なのに、あの時間だけ、その思いが止まる。
あとでいけないと思うけど、あの時間だけ、なぜか時が止まる。
それって・・・。 なに?
「わからないものは、わからないの」
釈然としなかった。
かなに対してじゃない、自分に対して。
「そっかー、唯にもわからなことはあるんだ」
それを言われるとつらい。
「でもさ、触られてみたい気持ちもあるんじゃない」
「えっ、・・・」
「図星だ! そんな顔してる」
「やだぁ、かな」
「でも女ってそうなのよね。 怖いけどその扉をくぐってみたくなる」
かなが言った“怖いけど”その言葉は合っていた。
「かなはどうなのよ」
「私もそりゃ女よ。 彼氏ができたら抱きしめられたいって思うわよ」
「そうでしょ」
「だよね。 そんでさ、抱きしめられて、そのうちシャツのボタンはずされてブラが見えるとそれも取られちゃうの」
「・・・」
「そしたらゆいのおっぱいが彼の目の前でポロリン」
「やだ、恥ずかしいて」
「恥ずかしがってもゆいは隠せないでいる。 本当はもっと見て欲しいと願ってる」
「やだ」
「恥ずかしいと思う心と、もっと“して”と思う心。 その狭間で揺れ動く唯の恋心」
「バカッ!」
でも気がしただけで、実感はない。
あとで何度思い出そうとしても思い出せない。
本当にそうだったんだろうか、今でもそう思う。
もし本当に手が胸に触れていたなら、嫌じゃないけど怖い気がする。
なにが怖いのかもわからないけど、なんとなく。
いつも答えをちゃんと導き出すゆいなのに、こんなゆいはダメだと自分で叱る。
何事にも正解を求める癖がこんなところでも顔をのぞかす。
「本当は触られてたんじゃない?」
「それが本当にわからないのよ。 自分でもそんなんじゃダメだと思うけど」
「天才美少女ゆいでも思い通りにならないこともあるってわけか」
「なによそれ、天才美少女は余計」
「あははっ、いいじゃない、本のタイトルみたいで」
「でもさ、本当は胸、モミモミされたんじゃない?」
「いやらしい表現。 そんなの、わかんないわよ」
「だって自分の体でしょ、自分だったらわかるでしょ」
いつも冷静にて沈着、泰然自若(たいぜんじじゃく)それが私のモットー。
なのに、あの時間だけ、その思いが止まる。
あとでいけないと思うけど、あの時間だけ、なぜか時が止まる。
それって・・・。 なに?
「わからないものは、わからないの」
釈然としなかった。
かなに対してじゃない、自分に対して。
「そっかー、唯にもわからなことはあるんだ」
それを言われるとつらい。
「でもさ、触られてみたい気持ちもあるんじゃない」
「えっ、・・・」
「図星だ! そんな顔してる」
「やだぁ、かな」
「でも女ってそうなのよね。 怖いけどその扉をくぐってみたくなる」
かなが言った“怖いけど”その言葉は合っていた。
「かなはどうなのよ」
「私もそりゃ女よ。 彼氏ができたら抱きしめられたいって思うわよ」
「そうでしょ」
「だよね。 そんでさ、抱きしめられて、そのうちシャツのボタンはずされてブラが見えるとそれも取られちゃうの」
「・・・」
「そしたらゆいのおっぱいが彼の目の前でポロリン」
「やだ、恥ずかしいて」
「恥ずかしがってもゆいは隠せないでいる。 本当はもっと見て欲しいと願ってる」
「やだ」
「恥ずかしいと思う心と、もっと“して”と思う心。 その狭間で揺れ動く唯の恋心」
「バカッ!」