2012-08-18(Sat)
露天風呂 10話
「常務、それ、まずいですよ」 滝口さんは小声で常務言いました。
私は滝口さんの言葉が聞こえないふりして常務さんに聞いてみました。
「なんなんですか、それ?」
「いや~ごめんごめん。 でも知らない? 女体盛り」
「えっ、にょタイもり? にょタイもりってなんですか? それってタイ料理ですか?」
「いや、でもなんだな、口が過ぎた。
すまんすまん、ただ人生のうちで一回くらいそういうのがあってもいいと思っただけだよ」
「そんなに謝らなくってもいいですよ。
それより常務さんともあろうお方が本当に人生で一回だけだなんて、そんなに食べられない物ですか?」
「いや本当にすまん。 いや、まぁ、なんだな。
かおりさんを見て一度は味わってみたいと思っただけ、ただそれだけ」
「えっ、私が食べさせる事が出来るんですか? なんなんですかそれ?」
「それは・・・、滝口君、説明してあげて」
「えっ? ボクですか。 常務はいつも嫌な役を押し付ける」
「それが滝口君の仕事だよ」
「わかりましたよ。 それじゃその代わり例のA商事との仕事、いいですか、僕が担当ということで」
「おまえさんもなかなかやるじゃないか。 この場で言うか?
でもいいよ、わかったよ。 内心、君に任そうと思ってた」
「じゃぁ、いいですね」
「ああ」
「わかりました、商談成立」
「さすがはエリート滝口次長、やる事が常務の弱み握ってそつがない」
「僕だって真剣ですよ。 だって説明しなくちゃならないし・・・」
世話役の滝口さんがその料理を説明してくれました。
「要はね、かおりちゃん。
女の人が寝てもらってね、その身体の上に普通は刺身やお寿司なんかを乗せて食べることだよ。
女の人の体に盛る、盛り合わせのことだよ」
「えっえー、変なの? でもそんなの出来ない事ではないでしょ」
「えっ、なんで?」
「だって横になってその上に置くだけでしょう」
「うん、そうだけど」
「なら、そんなにたいそうな事にならないじゃないですか。
要はお皿代わりになって欲しいってことでしょう」
「うん、そうだけど」
「それならぜんぜんかまわないじゃないですか。
本当にいいんですか、そんなんで。 それぐらいならお安いご用ですよ」
「えっ、ほんとに? いいの?」
「まぁ、真ん中で寝てるだけってあれだけど、でもふつ~でしょ。
あっ、でも、服にご飯が付いたりして、汚くないんですか?」
「あっ、そっか、そっちの意味ね。 ごめん、説明が足りなかった」
「なんですか?」
「いや、そのぉ~、そうじゃなくって。 その・・・服がない・・・」
「服が・・・ないって?」
「つまり、そのぉ~、なんだ。 裸なんだ」
「えっ、裸って?」
「なんていうか、女性の方は一枚も衣類を身に着けていないんだ」
「えっ、一枚も?」
「うっ、うん・・・」
滝口さんの目をまじまじ見ると、座が静かになりました。
「だからなんだ、お風呂で私を見て常務さんはそう思ったんですね」
「いや堪忍堪忍、 いや、その、なんだな、かおりちゃんの綺麗な裸を見て、
そんな綺麗な体をしているなら、一度は味わってみたいと思っただけだから気にしなくていいよ」
「ふ~ん、そうなんだ。 他の皆さんも?」
「いや、まぁ、そりゃ男として誰でも・・・」
「ふ~ん、そう。 滝口さんも」
「まま、そりゃまぁかおりちゃんは綺麗だから。
でもそうは思うものの、無理難題だし、そんなこと気にしなくてから」
私が意味を理解できたあと、みなさんが一斉に私に注目しています。
宴会の雰囲気がいっぺんに変わりました。
私は滝口さんの言葉が聞こえないふりして常務さんに聞いてみました。
「なんなんですか、それ?」
「いや~ごめんごめん。 でも知らない? 女体盛り」
「えっ、にょタイもり? にょタイもりってなんですか? それってタイ料理ですか?」
「いや、でもなんだな、口が過ぎた。
すまんすまん、ただ人生のうちで一回くらいそういうのがあってもいいと思っただけだよ」
「そんなに謝らなくってもいいですよ。
それより常務さんともあろうお方が本当に人生で一回だけだなんて、そんなに食べられない物ですか?」
「いや本当にすまん。 いや、まぁ、なんだな。
かおりさんを見て一度は味わってみたいと思っただけ、ただそれだけ」
「えっ、私が食べさせる事が出来るんですか? なんなんですかそれ?」
「それは・・・、滝口君、説明してあげて」
「えっ? ボクですか。 常務はいつも嫌な役を押し付ける」
「それが滝口君の仕事だよ」
「わかりましたよ。 それじゃその代わり例のA商事との仕事、いいですか、僕が担当ということで」
「おまえさんもなかなかやるじゃないか。 この場で言うか?
でもいいよ、わかったよ。 内心、君に任そうと思ってた」
「じゃぁ、いいですね」
「ああ」
「わかりました、商談成立」
「さすがはエリート滝口次長、やる事が常務の弱み握ってそつがない」
「僕だって真剣ですよ。 だって説明しなくちゃならないし・・・」
世話役の滝口さんがその料理を説明してくれました。
「要はね、かおりちゃん。
女の人が寝てもらってね、その身体の上に普通は刺身やお寿司なんかを乗せて食べることだよ。
女の人の体に盛る、盛り合わせのことだよ」
「えっえー、変なの? でもそんなの出来ない事ではないでしょ」
「えっ、なんで?」
「だって横になってその上に置くだけでしょう」
「うん、そうだけど」
「なら、そんなにたいそうな事にならないじゃないですか。
要はお皿代わりになって欲しいってことでしょう」
「うん、そうだけど」
「それならぜんぜんかまわないじゃないですか。
本当にいいんですか、そんなんで。 それぐらいならお安いご用ですよ」
「えっ、ほんとに? いいの?」
「まぁ、真ん中で寝てるだけってあれだけど、でもふつ~でしょ。
あっ、でも、服にご飯が付いたりして、汚くないんですか?」
「あっ、そっか、そっちの意味ね。 ごめん、説明が足りなかった」
「なんですか?」
「いや、そのぉ~、そうじゃなくって。 その・・・服がない・・・」
「服が・・・ないって?」
「つまり、そのぉ~、なんだ。 裸なんだ」
「えっ、裸って?」
「なんていうか、女性の方は一枚も衣類を身に着けていないんだ」
「えっ、一枚も?」
「うっ、うん・・・」
滝口さんの目をまじまじ見ると、座が静かになりました。
「だからなんだ、お風呂で私を見て常務さんはそう思ったんですね」
「いや堪忍堪忍、 いや、その、なんだな、かおりちゃんの綺麗な裸を見て、
そんな綺麗な体をしているなら、一度は味わってみたいと思っただけだから気にしなくていいよ」
「ふ~ん、そうなんだ。 他の皆さんも?」
「いや、まぁ、そりゃ男として誰でも・・・」
「ふ~ん、そう。 滝口さんも」
「まま、そりゃまぁかおりちゃんは綺麗だから。
でもそうは思うものの、無理難題だし、そんなこと気にしなくてから」
私が意味を理解できたあと、みなさんが一斉に私に注目しています。
宴会の雰囲気がいっぺんに変わりました。