2012-11-09(Fri)
下田の海 18話
海を眺めながらボォ~っとしているとお母さんの車が帰ってきたようです。
「さぁ、お手伝いしなくっちゃ」
立ち上がると「台所はどこ?」
貴志君も立ち上がって「こっちだよ」
貴志君の後をついていきました。
通用口? 縁側にお母さんが買ってきたものも置くので「私、運びます」
「あら、じゃぁ、お願い。 これとこれ、持って」
お母さんのあとについて台所に入ると、そこは広すぎて台所というより厨房でした。
「おじいちゃんの代はね、船頭をしていたからみんながここに集まるの。
そうするとみんなのご飯しなくちゃいけないでしょう。
だから小さな台所では間に合わないのでこんなに広いの。 びっくりしたでしょう。
ほらこれ1升炊きの釜。 いまどきこんなものを家においているところはないわね」
大きな釜が二つもあります。 その横には普段も使っている電気釜がありました。
「じゃぁ、これとこれ、適当な大きさに切って、炒め物にするから」
キャベツやほうれん草、しめじにしいたけ、あらゆる食材を渡されました。
量の多さに正直びっくりしました。
「ええ~ぇ、とっ、とっ、とぉ・・・」
「あっ、すみません。 藍沢香央里(あいさわかおり)と申します」
「あっ、ごめんなさい、かおりさんね。 切ったらこのざるに入れて洗っといてくれる」
「ハイ、わかりました」
「それと、敬語はいらないから。 敬語で話されると調子狂っちゃうし。
普段どおり、ここではザックバランにね」
「お気遣い、ありがとうございます」
お母さんは手馴れたもので次々と食材を調理していきます。
「かおりちゃん、あそこに大きな皿が4枚あるから取ってきて」
食器棚に向かうとほんとに大きなお皿。
たぶん30cm‥いや50cmはあるかもしれない大きなお皿です。
大きなお皿は重たいんですよね。
落としそうにもなりながら運びました。
「ごめんね。 重たかったでしょ。 大人数になるとこれくらいの皿でないとおっつかないんだ」
「いえ、料理屋さんで持ったことありますから大丈夫です」
「かおりちゃん、野菜炒めできる? そんなに難しくしないでサッと炒めるだけでいいから」
「それくらいなら大丈夫です。 任せてください」
「あー、助かるわ~、ほんと。
今日はラッキーしちゃった」とぺロッと舌を出すのを見て、かわいいお母さんだと思えました。
「たかし! ちょっと風呂、掃除して」
「人使い荒いなぁ、しょうがない、やるべ。 和樹も手伝えよな」
二人が出て行くと「うちはね、風呂も広いんだよ。 5~6人くらいならいっぺんには入れるから」
「へーぇ、すごいですね」
「いやなにも、広いのはいいけど、冬は寒いから。 暖まるに時間かかるし」
「あっ、そうか。 そういうところもありますよね」
「広いとなにかにつけていいように思うけど、とにかく掃除がたいへん」
「お母さんのご苦労、よくわかります」
しばらくすると「風呂、掃除、終わったよ。 ちゃんとお湯、入れといたから」
「ありがとよ、んじゃ、ご飯出来るまでテレビでも見てたら」
「ああ、そうする。 ここにいたらこき使われるから」
「ほんとに男連中は手伝わないんだから。 でも今日は助かったわ、かおりちゃんがいてくれて」
「いえ、そんな。 出来ることしかしてないので」
「いやそれが助かるんだよ」
家の外から物音がしたようです。
「あっ、帰ってきたかな。 かおりちゃん、そこの皿に盛り付けといて」
「わかりました」
「さぁ、お手伝いしなくっちゃ」
立ち上がると「台所はどこ?」
貴志君も立ち上がって「こっちだよ」
貴志君の後をついていきました。
通用口? 縁側にお母さんが買ってきたものも置くので「私、運びます」
「あら、じゃぁ、お願い。 これとこれ、持って」
お母さんのあとについて台所に入ると、そこは広すぎて台所というより厨房でした。
「おじいちゃんの代はね、船頭をしていたからみんながここに集まるの。
そうするとみんなのご飯しなくちゃいけないでしょう。
だから小さな台所では間に合わないのでこんなに広いの。 びっくりしたでしょう。
ほらこれ1升炊きの釜。 いまどきこんなものを家においているところはないわね」
大きな釜が二つもあります。 その横には普段も使っている電気釜がありました。
「じゃぁ、これとこれ、適当な大きさに切って、炒め物にするから」
キャベツやほうれん草、しめじにしいたけ、あらゆる食材を渡されました。
量の多さに正直びっくりしました。
「ええ~ぇ、とっ、とっ、とぉ・・・」
「あっ、すみません。 藍沢香央里(あいさわかおり)と申します」
「あっ、ごめんなさい、かおりさんね。 切ったらこのざるに入れて洗っといてくれる」
「ハイ、わかりました」
「それと、敬語はいらないから。 敬語で話されると調子狂っちゃうし。
普段どおり、ここではザックバランにね」
「お気遣い、ありがとうございます」
お母さんは手馴れたもので次々と食材を調理していきます。
「かおりちゃん、あそこに大きな皿が4枚あるから取ってきて」
食器棚に向かうとほんとに大きなお皿。
たぶん30cm‥いや50cmはあるかもしれない大きなお皿です。
大きなお皿は重たいんですよね。
落としそうにもなりながら運びました。
「ごめんね。 重たかったでしょ。 大人数になるとこれくらいの皿でないとおっつかないんだ」
「いえ、料理屋さんで持ったことありますから大丈夫です」
「かおりちゃん、野菜炒めできる? そんなに難しくしないでサッと炒めるだけでいいから」
「それくらいなら大丈夫です。 任せてください」
「あー、助かるわ~、ほんと。
今日はラッキーしちゃった」とぺロッと舌を出すのを見て、かわいいお母さんだと思えました。
「たかし! ちょっと風呂、掃除して」
「人使い荒いなぁ、しょうがない、やるべ。 和樹も手伝えよな」
二人が出て行くと「うちはね、風呂も広いんだよ。 5~6人くらいならいっぺんには入れるから」
「へーぇ、すごいですね」
「いやなにも、広いのはいいけど、冬は寒いから。 暖まるに時間かかるし」
「あっ、そうか。 そういうところもありますよね」
「広いとなにかにつけていいように思うけど、とにかく掃除がたいへん」
「お母さんのご苦労、よくわかります」
しばらくすると「風呂、掃除、終わったよ。 ちゃんとお湯、入れといたから」
「ありがとよ、んじゃ、ご飯出来るまでテレビでも見てたら」
「ああ、そうする。 ここにいたらこき使われるから」
「ほんとに男連中は手伝わないんだから。 でも今日は助かったわ、かおりちゃんがいてくれて」
「いえ、そんな。 出来ることしかしてないので」
「いやそれが助かるんだよ」
家の外から物音がしたようです。
「あっ、帰ってきたかな。 かおりちゃん、そこの皿に盛り付けといて」
「わかりました」